新人や後輩の指導を任されたときに、「一生懸命説明しているつもりなのに、なぜか相手に伝わらない……」なんて悩んだことはありませんか? また「もう何度も教えているのに、新人が全然使えない!」なんてストレスを感じることもありますよね。もしかしたらそれ、自分にとって「教えたつもり」の情報が、相手にうまく届いていないのかもしれません。 後輩や部下を成長させるためには、「わかりやすく教える」という技術が必要不可欠です。相手の理解力不足を嘆きたくなったときには、ぜひ自分の「伝える力」にも注目してみてください。上手に教えるためのコツ4つを紹介します。
■相手の立場に立つことがマスト
人に何かを教えるときには、「相手の立場に立って教える」ということがマストとなります。教える立場である自分が「わかる」のは当然のこと。初めて教わる相手にとって「わからない」なら、残念ながらその教え方は間違っています。 「相手の立場に立って説明するというのは、具体的にどうすれば良いの?」と思ったときには、ぜひ以下のポイントを参考にしてみてください。 ・相手が理解できるスピードで話す
・要点をつかんで、できるだけ簡潔に話す
・難しい専門用語は使わない
・理解しているポイントと理解できていないポイントを、こまめに確認する
・時には実例を見せる 自分にとって全くなじみのない世界について、超スピードで話されても、理解するのは難しいです。何かを説明する際の適正スピードは、人によって個人差があるもの。ぜひ「自分」ではなく、「相手にとって心地よいスピード」を意識しましょう。 また説明内容が長くなりすぎても、人間の集中力は続かないもの。できるだけ簡潔に、ズバリ伝えることも大切です。 専門用語は基本的に使わないようにして、どうしても必要な場合は、その意味まで丁寧に教えるようにします。 ポイントごとに本当に理解できているかどうかを確認し、できていない場合にはそこまで戻って、再度説明することも重要なポイントとなります。
■教える内容と目的をハッキリさせよう
しっかり教えているつもりが、「実は何も伝わっていない!」なんてことにならないためには、一度に教える内容を絞り込むことも大切です。残念ながら人間は、一度に多数のことを覚えることはできないのです。 ここで有効なのは、「今から教えること」について、最初に「内容」と「目的」を伝えておくというものです。 「今日は○○の業務について、一般的な流れを学んでもらいます。指導が終わったあと、流れに沿って一人で行動できることが、今回の指導の目的となります」と伝えるだけでも、教わる側にとっては「心の準備」が整います。教わる側にも「明確なゴール」が設定され、「目的を達成するために説明を聞く」ということができるのですね。 新人に何かを教える際には、「何か質問はありますか?」と聞いても、「何がわからないのかさえ、わからない!」なんてケースが少なくありません。 教わる側も、最初に「ゴール」を意識することで、「目標達成のために、今の自分に足りていない情報」を把握しやすくなります。質問もより具体的になり、「教える側」の負担軽減にもつながるでしょう。