59-1

 

社会において、男女が平等に輝ける仕組みを作ろうとする流れが、年々強まってきています。女性活躍推進法の施行や、女性管理職の割合増加に向けた、具体的な目標設定など……今後はより一層「指導的な立場で活躍する女性」が増えていくことでしょう。 このような流れの中で、増えてきそうなのが、「女性上司と男性部下」という組み合わせです。こうした中でスムーズに仕事をこなすためには、どんなところに注意すれば良いのでしょうか。 男性部下がチェックしている女性上司のポイントと共に、管理職を務める女性が、頭に入れておきたい情報をまとめます。

 

■自信のなさ

女性管理職を増やそうという流れは強くなってきているものの、全体を見ると、その数はまだまだ少数です。この流れに押されて、女性管理職として起用する企業も増えてきていますが、「そもそもその心構えができていない」という方も少なくありません。 ここには、会社側がこれまで「女性社員の多くを管理職候補として見ておらず、積極的な育成をしてこなかった」という事情も見え隠れしています。「新入社員当時から、将来の管理職候補として育成されてきた若き男性リーダー」と比較すれば、管理職に任命された段階で、すでに「経験値の差」が生じていると言っても過言ではないのです。 このような状況の中で、男性部下が女性上司に対して、鋭い目線でチェックしているのが「自信の有無」です。どのような過程でそうなったかに関わらず、上司は部下を導いていく存在です。自信なさそうな様子を見ると、「本当に大丈夫なのだろうか」と不安になってしまうでしょう。 女性上司が自信を持てないことで起こりうる弊害は意外と大きく、無視できません。自分の仕事に自信が持てなければ、「とにかく周りから文句を言われないように」という保守的な姿勢で、仕事全体を無難にまとめようとしがちです。リスクのあるチャレンジを部下の方から提案しても、即座に却下されてしまうでしょう。 このような上司に対して、男性部下が尊敬の念を抱くのは難しく、また「ホウ・レン・ソウ」の流れにも乱れが生じてしまうことが予想されます。 男性部下が上司に求めているのは、リーダーシップです。ここを常に意識して行動することで、「頼りなさ」の払拭につながることでしょう。

 

■論理的に物事を捉えられるかどうか

女性は男性よりも「感情的に物事を判断しがち」だと言われています。もちろんこちらは、個人差が大きいポイントでもありますが、男性部下の中には、女性上司に対して「感情で物事を話すところが苦手」と感じる人もいます。 もともと女性は、男性よりも共感力が高いと言われていて、男性よりも強みを発揮できる場面も多くあります。しかしビジネスにおいては「感情」よりも「論理的思考力」の方が要求される場面も、少なくありません。 もちろん男性上司の中にも、感情的になって部下を叱るような人もいます。しかしこうしたタイプの上司は、やはり部下からの信頼を得ることが難しくなってしまうでしょう。 女性上司にとっても同様で、ミスが発覚したときや、なんらかのトラブルが生じてしまったときなどは特に、冷静な対処を心掛けましょう。そのためには、普段の部下とのやり取りの中でも、論理的なコミュニケーションを行うよう意識することが、必要になります。