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■学校側に相談する……先生を敵に回さないよう注意しよう

証拠がそろったら、いじめの状況を改善するための、具体的な行動に移りましょう。 真っ先にやるべきことは、「担任に相談する」ということです。電話ではなく、できれば直接会って、まとめた文書をもとに状況を説明します。文書を持参することで、「言った・言わない」問題を回避できますし、その後、より上の立場の人と話し合うことになったときも、情報の共有化に役立ってくれます。 ここで大切なのは、「先生や学校を責めるのではなく、一緒に問題を解決していきたい」というスタンスで相談するということです。 「自分の子どもがいじめられた!」と感情的にわめき散らす親は、学校側にとってやはり「厄介な存在」になってしまいます。あくまで「協力」を要請し、また問題解決の落としどころについても、きちんと伝えることが大切です。 具体的には、学校にいじめの実態の調査を依頼し、その上で加害者からの謝罪、そして再発防止策を講じてもらうというステップとなります。具体的なフォローを依頼したい場合には、その旨も文書に含めて提出するのが効果的です。

■学校側が動いてくれない場合には?

いじめの状況を文書化し、あくまでも問題解決のための協力を願い出ることによって、多くの学校は速やかに調査・解決へと動いてくれます。しかし中には、「あえて何もしない」という立場をとる学校も存在しています。 この場合は、学校以外にも、相談の場所を広げていく必要があります。市町村教育委員会、県教育委員会、人権擁護委員会などのほか、弁護士や警察なども視野に入れましょう。学校に提出した文書と同様のものを用意すると共に、学校からの対応方法をまとめた新たな文書をまとめ、相談と共に提出することで、話がスムーズに進みやすくなります。

■まとめ

いじめによって深く傷ついた子どもの心を、一刻も早く回復させるためには、できるだけ素早く問題を解決し、事態を収拾する必要があります。親が担う責任は重大であり、どう動くのかによって、解決までの方法・スピードも変わってくると言えるでしょう。 突然の出来事に「どうすればいいの?」と焦ってしまう気持ちもわかりますが、一番傷ついているのは子ども自身です。親としてやるべきことと、その流れについて頭に入れておくだけでも、落ち着いて対処できる可能性は高まるでしょう。 近年のいじめ問題は、狡猾化・陰湿化が進んでいると言われています。問題が発覚したことを落ち着いてとらえ、「いじめらえる状態をなくすために、親として何ができるのか」という視点で、解決プロセスを検討してみてくださいね。