突然ですが、みなさんは鉄道系の運転シミュレーションをしたことはありますか。もちろん、筆者は何回もシミュレーションで「運転」を楽しみました。今回はその経験に基づき、簡単に鉄道系運転シミュレーションの歴史を振り返りたいと思います。
やっぱり衝撃的だった「電車でGO!」
個人的に最も衝撃的だった鉄道系運転シミュレーションは「電車でGO!」です。「電車でGO!」に出会ったのは1998年、私が小学校5年生のときでした。「『電車でGO!』を買ったよ」という友人の声を聞きつけて、友人宅に遊びに行ったのがはじまりです。
私が最初に出会った「電車でGO!」シリーズはPlayStation版の第一作目「電車でGO!」でした。一作目はわずか4路線(山陰本線、東海道本線、京浜東北線、山手線)でしたが、とにかく驚きの連続だったのを覚えています。それまで、運転シミュレーションはパソコンでやるゲーム、というイメージ。ゲームの画面も小さいため、臨場感はそれほどありませんでした。
その点、「電車でGO!」は家庭用テレビゲームなので、ゲーム画面がとにかく大きい。そのため、自宅にいながらスピード感を味わえました。4路線とはいえ、友人の家に遊びに行く度に、「電車でGO!」をプレーしていました。
ご存知のとおり、「電車でGO!」は累計売上102万本を記録した大人気テレビゲーム。その後もどんどん路線が増え、画質も綺麗になり、クオリティーが高いゲームになりました。現在、テレビゲームシリーズは終了しましたが、アーケードゲームとして進化を続けています。
とにかく難しかった「Train Simulator」
鉄道系トレインシミュレーションでは「Train Simulator」のほうが「電車でGO!」よりも歴史は長いです。現在は「Train Simulator」はPlay Stationでも楽しめますが、どちらかというとパソコンのゲーム、というイメージが強いですね。私が小学生のときはWindows95が登場し、パソコンが家庭で普及し始めていました。そのため、パソコンがある友人の家で「Train Simulator」にチャレンジしました。
出会った最初の「Train Simulator」は阪神電気鉄道です。阪神は列車種別が多い路線で知られていますが、ゲームでも忠実に再現。当時、本線で運行されていた準急列車まで用意されていることに驚きました。
ところが、ゲームの難易度は小学生の私にとっては厳しいものでした。「電車でGO!」は点数性になっており、いくつかのミスは許されます。一方、「Train Simulator」は一つでもミスをしたらその時点でゲームオーバー。特に速度制限標識を守るのが難しかったです。阪神はカーブが多いため、速度制限標識がたくさん。何回も運転をして体で覚えないといけません。残念ながら、1度もクリアすることなく、「Train Simulator」とはオサラバになりました。正直に書くと、今チャレンジしても、クリアする自信はありません。
無料で楽しめるトレインシミュレーター「BVE」
今まで紹介したゲームはゲームソフトです。そのため、大型量販店で購入しないといけません。一方、「BVE」は無料で楽しめる鉄道系トレインシュミレーターです。私が「BVE」に出会ったのは2003年、高校1年生のとき。初めて自宅にパソコンが届き、Googleの検索欄に「BVE」を検索したのがはじまりです。
「BVE」は今まで解説したゲームとは異なり個人が制作したもの。しかし、沿線風景を除けばダイヤや運転台、走行音は従来のゲームよりもリアルなものでした。 「BVE」は全国各地の路線を運転できるのも大きな特徴。JRのみならず地方私鉄のローカル線の運転も楽しめます。また、昭和時代の古い電車を運転することも可能。「BVE」は鉄道系トレインシミュレーターの可能性を広げたゲームといっても過言ではありません。最初は高校から帰ったら深夜まで近鉄の「BVE」で遊んだものです。今から考えると、一番ゲームに没頭していた時代かもしれません。
「BVE」の欠点は路線と車両を別々にダウンロードする必要があること。また、パソコン環境をチェックする必要があり、多くのエラーを経験したものです。今から考えると、いいパソコンの勉強になりました。
妙に楽しかったロシアのトレインシミュレーター
自宅で楽しむトレインシミュレーターは高校生のときに卒業した感があります。現在は鉄道博物館でトレインシミュレーターを嗜む程度ですね。その中で印象に残ったのがモスクワ地下鉄博物館にあるトレインシミュレーターです。
写真で見ればわかるとおり、なかなかの本格仕様。ただ、ロシア語だったので、どのボタンが何を意味するのかさっぱりわかりませんでした。それでも、適当にボタンを押しレバーを引いたら、車両が動きました。思っていたよりも加速がよく、日本との車両の違いを肌で実感。しかも、このトレインシミュレーションはゲームオーバーがないため、気軽に楽しめました。ぜひ、国内だけでなく海外の鉄道博物館にあるトレインシミュレーターにもチャレンジしてくださいね。
文・撮影/新田浩之