©︎あした世界が終わるとしても

 

—— ふたつの世界を描くことで表現したかったのはどんなことですか?

 

櫻木監督 

対峙するキャラクターの見た目はほとんど同じです。同じDNAを持っているのに、環境によって人の生き様は変わるということを最終的に描きたいと思っていました。

 

例えば、真が生きているこっちの世界では、戦争も起きない平和な世界です。自分にも何かできるかも! という自意識の高さを見せつつも結局何も変えていません。一方、ジン(もうひとりの僕)は、自分で動いて何かを変えていかなければならない立場にいます。自分からコトを起こすジンと、自分が望まない形で巻き込まれていく真。まったく違うキャラクターのようですが、同じ目的に向かうことで、最終的には同じような気持ちを持つことになる。そんな流れを作りたいと思い、キャラクターを描いていました。

 

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©︎あした世界が終わるとしても

 

—— 「こんな世界があるかもしれない」と思ってしまう作品です。

 

櫻木監督 

もうひとつの世界でないにしても、“非日常”は起こりうることです。平和に慣れてしまっているけれど、戦争や災害がいつ起こるかわかりません。今はとても不安定な世の中だと思っています。現代の若者に非日常が起きたとき、どういったリアクションをとるのか。この作品が、何をすべきかを考えるきっかけになればいいなと思います。いろいろな世代にも観れるように、難しい言葉は使わずわかりやすくを心がけて作りました。