education201812

お正月といえば「おせち料理」。 言葉が話せるようになってきた小さいお子さんがいると、実家に帰省し、おせちを囲んだ時などに、見慣れないごちそうや食材を「これなあに?」と不思議に思ってママにたずねることがあるかもしれません。

 

そんな時、小さい子にもおせちの由来や意味を分かりやすく教えてあげられるような説明の仕方を考えてみました。

 

また、「みんなはお正月におせちを用意している?子どもは喜んで食べてる?」などワーママ親子のおせち事情も紹介します。

子どもに「おせち料理」の意味や由来を伝えるポイント


まずは、重箱に美しく詰められた色とりどりのおかずが並ぶおせち料理は、そもそもなぜ「おせち」と呼ばれているのでしょうか?

 

子どもが 「これなに?」 とたずねたら、

 

「これはおせち料理っていうのよ。“せち(節)”は、そろそろ春だよ!夏だよ!っていう合図みたいなもの。お正月は、新しい年が来たよっていう合図だよね。」 と、「おせち」の言葉の意味をまず教えてあげると良いですね。

 

「このお料理は、昔の人が、新しい年の神さまにお供えするために考えたお料理なの。お供えしたあとは、おうちのみんなで食べると、みんなが元気で暮らせたり、いいことが起きるんだよ」

 

と教えてあげれば、初めての食材には尻込みするタイプのお子さんでも、「それなら自分も食べてみようかな?」と思ってくれそうですね。

 

それぞれの食材や料理にも、長寿や子孫繁栄など様々な願いが込められています。その中でも、子どもが理解しやすい内容として次のようなものが挙げられます。

 

かんたんな言葉でも伝わるよう、こんな風に説明してあげてはいかがでしょうか。

 

「レンコンさん、穴からのぞいてみたら向こうが見えるよね?○○ちゃんも、何にも見えないで歩くより、ちゃんと見えてる方が安心だよね。安心して暮らせるようにっていう意味なんだよ」

 

「伊達巻は、忍者の巻物みたいだね。昔はこんな巻物を使って勉強していたの。お勉強がよくできて、かしこくなれますように~ってお祈りしながら食べてみよう」

 

「海老さんは腰が曲がってるよね。長―く生きてるおじいちゃんおばあちゃんみたいだから、みんなも海老さんを食べて長生きしようねっていう意味なんだよ」

 

「数の子は、お魚の卵がいっぱい集まってるよね。私たちも家族がたくさん増えて楽しく暮らせますように…ってことだよ」

 

なお最近は、腰も曲がらず元気なお年寄りが多いですし、お正月で集まった時に親戚から「まだ結婚しないのか」「子どもはまだ?」等と無神経な質問攻めで嫌な思いをしている女性もいるので、少し気を使ってしまうようないわれの縁起物もありますが…。

 

「鯛(タイ)はめでたい、昆布巻きはよろこぶ」などの言葉遊びだけでも楽しめるので、ぜひ教えてあげて下さいね。

子どものおせち料理事情。食べる派は約7割


インターネット上のアンケートでは、「お正月におせちを食べた」人は全体の約75%とやはり多く、一から手作りするのは16.4%、完成品を購入するのは22.8%、残りの人は購入品と手作りを合わせてお重に詰めるというスタイルだそう。

 

赤ちゃんから小学生までの育児中のママに、「お子さんはおせちを食べますか?」と聞いてみると、次のような答えが返ってきました。

 

「うちの子たちはけっこう食べますよ!煮しめのタケノコや棒ダラなど、意外と渋いものが好きみたいで。ただ、味付けが濃いので、白ごはんは欠かせないですね」(Gさん・30歳・5歳の男の子と3歳の女の子のママ)

 

和食が好きな子にとっては、おかずの延長という感覚でおいしく食べているのかもしれませんね。

 

「うちはあまりおせちには手をつけようとしないです。日頃食べ慣れない食材は不安みたいで。夫の郷里では、おせち以外にお寿司・お肉・揚げ物の入ったオードブルなども並べる風習があり、子どもはそちらをメインに食べています」(Yさん・34歳・6歳と3歳の女の子のママ)

 

「私も夫も両親を早くに亡くしているので、お正月は自宅で過ごします。おせちは買ったものと、手作り何品かを詰め合わせるのですが、三の重は子どもたちの好きなお肉メインにしています。ローストビーフ、煮豚、鶏の照り焼きなどを入れると喜んで食べています」(Oさん・37歳・小学校5年生の男の子・1年生の女の子・4歳の男の子のママ)

 

子どもが好きなおせちの品は、

  • 栗きんとん
  • 伊達巻
  • かまぼこ
  • 海老(焼き海老・ゆで海老)
  • つくね

 

など、甘い味付けのものや、日頃食べ慣れている素材が人気のようです。

赤ちゃん向けのおせち料理のアイディア


離乳食がスタートした赤ちゃんとも、少しずつおせちを一緒に味わいたいですね。  おせち料理はそのままでは味付けが濃いので、ひと工夫して取り分けましょう。

 

  • 煮しめ…里芋、人参などを少量取り分け、だし汁で煮直して柔らかく薄味に仕上げます。

 

  • かまぼこ…薄くスライスして、塩分が抜けるようお湯でゆがきます。購入時も添加物の少ないものを選ぶのがおすすめ。

 

  • 鯛…内側の塩分が強くない部分の身を使います。骨を注意深く取り除き、ほぐしてお粥に混ぜたり、水溶き片栗粉でとじます。

 

  • 黒豆…薄皮を取り除き、お湯でかるく湯がいて塩分・糖分を抜きます。すでに柔らかいものならそのまま、硬ければもう少し柔らかくなるまでゆでてから与えます。

子どもがおせちに親しみやすい伝え方の工夫を


日頃から仕事・家事・育児をがんばっているママには、年末の限られた時間でおせちを手作りするのは難しいもの。

 

おせち料理作りでは、栗きんとんのさつまいもをつぶしたり、かまぼこの飾り切り・煮しめ用の「たづなこんにゃく」をくるっとひっくり返す作業など、簡単にできるお手伝いもたくさんあるので、数品だけでも手作りしてみると、祖父母や親と子で一緒に楽しむ時間になりそうです。

 

そして、おせち料理をいただく際には、今回紹介した由来や意味もぜひ話してあげて下さいね。

 

<あわせて読みたい人気記事>

初詣の参拝方法は?お寺と神社どっちに行く?

 

文/高谷みえこ 

参考:株式会社オピネット「2016年 おせちに関するアンケートレポート」