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毎晩続く夜泣きにいつまでつき合うの…?トイレトレーニングが終わらない…!など、育児の悩みはつきません。自分を追い詰めてしまう前に、他の国に目を向けてみませんか?日本では当たり前の育児論も、海外では誰も知らないなんてことも。視野を広げれば、気持ちがラクになるかもしれません。日米での育児経験を元に、知ってほしい海外の情報をお伝えします。

 [第8回 アメリカの夜泣き対策2]

「No tears method」と「Fading」

前回は日本でもメジャーになりつつある、赤ちゃんを泣かせっぱなしにするネントレ「Cry it out」をご紹介しました。ただ、親の心情としても、近所への騒音としても、子供を泣かせっぱなしにはできない…というママも多いはず。そこで、今回は新たに「No tears method」と「Fading」の2つの方法をご紹介します。「No tears method」は日本のママたちがやっているのに近い寝かしつけ方で、「Fading」はその2つのいいとこどりの寝かしつけ方です。まずは「No tears method」からみていきましょう。

泣かせない「No tears method」は
日本流にも近くてやりやすい

アメリカでも、「Cry it out」で子どもを泣かせっぱなしにすることで、母子の愛着形成に問題が出るのでは?という論争があることは前回の記事「ネントレ「Cry it out」は夜泣きがつらいママにおすすめ!」でも紹介しました。そんな「Cry it out」に抵抗があるママが取り入れているのが「No tears method」と言われるネントレ。直訳するとズバリ「涙のない方法」で、Cry it outとは真逆の方法です。

夜中、赤ちゃんが泣いたら抱っこしたり授乳してあげて、また再度寝かしつけるというのがこのメソッド。抱っこや授乳で赤ちゃんがうとうとしはじめたところでベッドに戻し、また起きたら同じように何度も寝かしつける…の繰り返しです。 「No tears method」も専門家によってやり方は様々。メジャーなものでは毎日の昼寝の時間を決めたり、早寝早起きにするなど、赤ちゃんの生活リズムを整えることが何よりのカギです。 また、赤ちゃんに今が寝る時間であることを理解させることも大切。例えば絵本を読む、子守唄を歌うといった入眠儀式を作る。他にも、寝かしつけや夜中に赤ちゃんを落ち着かせる際に繰り返し聴かせるキーワード(「しー」や「寝る時間だよ」など)を決めることが挙げられます。

試してみたアメリカのママによると「私は産後から赤ちゃんの泣く声にイライラしがちだったので、"Cry it out"よりは"No tears method"の方が自分に向いてたなと思いやっていました。ただ、泣くたびに起きなくてはいけないのでいつも睡眠不足でつらいと思う日も多かったです(苦笑)。寝かしつけは、少し強めに背中をトントンしていました」。 また、新生児のときのみ有効な手段ですが、ねんねしそうな赤ちゃんをおくるみでくるむ方法もおすすめされています。

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日本のおくるみよりぎっちり巻かれた姿には少しびっくりしますが…アメリカでは産院で教えられるほどメジャーな方法なんです。 「産院でやり方を教えてもらった時はぎゅうぎゅうに包まれていてびっくりしたのですが、本人は気持ちよさそうに寝ていて効果を実感。新生児にありがちな、モロー反射でビクッとして起きて泣く、みたいなことはあまりなかったですね」とアメリカのママ。もともとママのお腹の中にいた赤ちゃんには手足を包まれた状態でいる方が安心するようで、ぐっすり眠れるのだそう。

「No tears method」では、添い寝も推奨されており、夜中も泣かせないのでマンションなどでも迷惑になることがなく日本でも取り入れやすい方法です。ただ赤ちゃんによっては寝付けない時に親に甘えてしまう癖がついて、自分で寝る力がなかなかつかないと言われます。そのため、寝つきや夜泣きの改善には長期戦を覚悟しておいた方がよさそうです。 忍耐強く赤ちゃんに寄り添えるママ、赤ちゃんを泣かせるのがとにかく無理!というママにオススメの方法です。

「Cry it out」と「No tears method」の中間、
親がほどよく助ける「Fading」とは?

「Cry it out」は赤ちゃんに厳しく、「No tears method」だとママが大変…という人におすすめなのが、この2つの中間の「Fading」という方法です。「Fading」の「Fade」とは「フェードアウト」にも使われる「フェード」、少しずつ消えていくというような意味です。つまり、親が寝かしつけの場から少しずついなくなるようにするという方法です。 親がいないことで赤ちゃんに自分で自分を落ち着かせる方法を学ばせるのですが、「Cry it out」 ほど放置しっぱなしではなく、かといって「No tears method」よりも親が手助けをしないので、赤ちゃんにもママにもwin-winの方法といえます。

「Fading」は、「Camp out」と「Timed check-ins」という2つのやり方に分かれます。 「Camp out」とは、ベビーベッドの横に椅子を置き、赤ちゃんが寝るまで親が座っているという方法。赤ちゃんが泣いたら「しー」と声をかけたり、とんとんしてあげ寝付くまでそばにいます。2~3夜ごとに椅子の位置を少しずつベッドから遠くしていき、最終的には部屋の外にママが出ていても眠れるようになるのだそう。 一方、「Timed check-ins」は、時間を決めて部屋に入る方法。赤ちゃんをベッドに寝せたらいったん部屋を出ます。ここまでは「Cry it out」と同じですが、赤ちゃんが泣いても泣いていなくても5分ごとに部屋に入ってとんとんしてあげるか、「寝る時間だよ」など声をかけて落ち着かせます。そして、5分ごとにあやすのを寝るまで繰り返します。

アメリカで生活したのち日本に帰国したママによると「息子が5、6ヶ月ごろ、2時間起きに夜泣きしていて辛かったので、アメリカのママ友から聞いたネントレを試そうと思いました。でも、日本で"Cry it out"を実践すると、近所迷惑になると思い"Timed checks-ins"に。寝かしつけは布団に添い寝をして行なっていたのですが、夜泣きで泣き始めたら部屋に戻って落ち着かせ、部屋を出る方法を行っていました。厳密に5分と決めていませんでしたが効果があり、当初2時間おきで泣いていた夜泣きも回数が少しずつ減っていきました」。「Fading」も「No tears method」同様、添い寝の場合にも使えると言われています。

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▲アメリカでも、ベッドで添い寝できるようなベッドインベッドが売られています

日本でも取り入れやすくママも精神的に負担なく取り組めるはず。子どもがある程度大きくなって、ひとり寝の時にも使えるテクニックです。 前回から続き、「Cry it out」、「No tears method」、「 Fading」と3つの方法をご紹介しましたが、赤ちゃんはもちろん、ママにも合う合わないはあります。行き詰まった場合は、2、3週間ネントレをお休みして再開するか、違うネントレを試してみても。自分でやりやすいようにアレンジしたり、赤ちゃんとママがリラックスしてねんねできる方法を探してみてください。

取材・文/阿部祐子