ようやく暑い夏も過ぎ、1年で最も過ごしやすい秋がやって来ました。秋晴れを見ると思わず旅行をしたくなる人も多いのでは。大人でもそのように思うのですから、鉄道好きの子供だったら言わずもがなですよね。今回は子供だけで鉄道旅行を楽しむコツをお伝えします。基本さえ守っておけば、子供だけでも楽しく、安全に鉄道旅行を楽しめますよ。
子供だけで鉄道旅行を計画するコツ
参加人数は最大4人
ここでは個人旅行ではなく、グループ旅行を想定します。個人旅行ですとトラブルが発生したとき、個人で対応しなければなりません。グループですと仲間が助けてくれます。子供ですと、1人でトラブルに対応するのは難しいもの。なるべく友達と鉄道旅行することをおすすめします。
基本的に鉄道が好きで気のあった友人を誘えばいいと思います。ただし参加人数は最大4人までにしましょう。在来線のクロスシートは向かい合わせにすると、4人1組のボックス席になります。そのため4人以上ですと離れ離れになりやすく、統率をとるのが難しくなります。
プランニングは紙の時刻表で
行き当たりばったりの鉄道旅行も楽しいですが、あまりに時間的ロスが多いのが欠点。無用なトラブルを避けるためにも、事前準備はきちんとしたいものです。鉄道旅行の事前準備をするときは紙の時刻表を横に置きましょう。
スマートフォンやパソコンでも計画を立てることはできますが、4人だと画面を共有するのは難しいもの。その点、大判の紙の時刻表ですと、簡単に友達と共有できます。また鉄道地図を見ると、今まで知らなかった路線に出くわすはず。ゲーム感覚で地図を見ながら、鉄道旅行の計画を立てるとおもしろいです。アナログな方法ですが、たまにはのんびりと計画を立てるのもいいのでは。
おすすめの観光スポットはお城
鉄道旅行におけるおすすめ観光スポットはお城です。お城にはいくつかのメリットがあります。1つ目にお城は「目」だけでなく「体」で体感できる観光スポットだからです。展示物ばかり見る博物館だと飽きるもの。その点、お城は歩き回ったり、天守から眺望を楽しめたり、といろいろな楽しみ方ができます。
2つ目は重要文化財級の城ですと交通アクセスもよく、地元の人も知っていることです。子供にとって、新しい街で電車やバスを乗りこなすのは難しいもの。その点、有名なお城は街のランドマークであることが多く、バスなどの公共交通機関も充実しています。また地元の人も知っているので、迷った際は丁寧に教えてくれるでしょう。
3つ目は教育的観点からおすすめできる観光スポットだからです。お城は数百年前にタイムスリップできる貴重なスポット。楽しみながら社会科の勉強ができます。 このようにお城は子供にとって、魅力的な観光スポットです。ぜひ鉄道旅行にお城を組み込んでみましょう。
意外と高いけど味わいたい駅弁
子供の鉄道旅行において、時間ロスの原因となるのがレストラン探しです。かと言って、地方まで行ってファーストフードはさみしいですよね。そこで、おすすめしたいのが駅弁です。今でも主要駅に行けば駅弁が販売されています。地方の駅弁はその土地の名産品が使われており、地理の勉強にもなります。駅のベンチや車内で友達と食べる駅弁の味は格別です。
もし駅弁の販売所がわからなければ、駅員に尋ねてみましょう。 駅弁の唯一の欠点は価格が高いこと。軽く1,000円は超してしまいます。子供にお金を渡す際、昼食代は余裕を持って2,000円を渡すのがポイントです。
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無理をしないプランニングが大切
子供ですと加減がわからないので、無理なプランニングをするもの。必ず無理をしないプランニングにしてください。まず列車に乗る時間は朝9時から夜7時までにとどめておきましょう。あまりに夜が遅いと、列車トラブルが発生したときに帰宅できない可能性もありますから。
次に乗換時間をチェックするのがポイント。スマートフォンのアプリで表示される乗換時間は大人の足を前提にしています。子供ですと、表示される時間の1.5倍は見ておきたいものです。後は年齢や個人の体力に合わせて調整すればいいでしょう。
プランニング自体は子供に任せてもいいですが、必ず旅程表は親がチェックするようにしましょう。先ほどのポイントを踏まえれば、無理なプランニングにはならないと思います。
おすすめの切符は「秋の1デイバス」
子供の鉄道旅行におすすめの切符は1日乗車券のような「1デイバス」です。ここではJR西日本が販売している「秋の関西1デイパス」を例にあげて説明します。
この切符は関西圏を中心としたJR線の普通、快速列車や滋賀県を走る近江鉄道(秋限定)、大阪水上バス「アクアライナー」に乗れます。また京阪、近鉄、南海が販売している企画切符との引き換えも可能です。このような切符を使えば、切符購入の時間も省け、お得に鉄道旅行が楽しめます。
文・撮影/新田浩之