「démos(デモス)」という言葉をご存知ですか?フランスで実際に行われた子供向けの音楽教育プログラムで、楽器を覚えた子供たちが「フィルハーモニー・ド・パリ」で公演をするというもの。フィルハーモニー・ド・パリとは、2015年にフランスを代表する建築家、ジャン・ヌーヴェルにより設計されたコンサートホールで、パリの新名所となっています。
今回ご紹介する映画『オーケストラ・クラス』は、このdemosに取り組んでいる小学校を舞台に繰り広げられる子供たち、そして大人たちの成長物語です。
挫折したバイオリン奏者がやってきたのは…
パリ郊外の小学校に、バイオリンを教えるためにやってきたバイオリン奏者のシモン・ダウド。バイオリン奏者としての仕事が見つからず、生活のためと割り切って小学校で教えることになります。
ダウド本人が乗り気でないのですから、子供たちがやる気になるはずがありません。それ以前に、そのクラスの子供たちは、先生の話なんて聞かないし、子供同士でも衝突し、騒いでばかりで落ち着きがありません。移民問題を抱えるフランスらしく、さまざまな国からやってきた子供たちが集まっています。
バイオリン奏者としての仕事が見つかるまでの繋ぎと考えているダウドと、人の話を聞かない子供たち。目標に向かって一緒に進むことができるのでしょうか。