たくさんの料理と義母

義母と私の主婦ふたりで台所を共有する問題について、これまで何度か綴ってきましたが…まだまだあります三世代の台所問題。

 

今回は義母のパワー溢れる献立と、それに伴う問題について語ります!

「ひき肉を使った」義母の衝撃献立

ここ1年ほど、私が新しい仕事を始めて週に数日は帰りが遅くなり、その日の夕食は義母にお願いすることも多くなりました。

 

もともと料理好きで世話焼きな義母のこと、張り切って毎回美味しいものを作ってくれる…のは本当にありがたいんですが。ひとつだけ問題がありまして。

 

義母の食事作りの主なモチベーションは「孫や息子たちに美味しいものを食べさせてあげたい!」ということで、食材の在庫や予算については二の次三の次。冷蔵庫に今日中に調理してしまわなくてはならない肉があったとしても、「お刺身食べたい」の孫のひと言で、スーパーに刺盛りを買いに走ってしまうのです。

 

それで、どうしてもその日じゅうに使い切ってほしい食材があるときは、私が家を出る前に義母に「今日はあのひき肉を使ってしまってください」とお願いして念を押してから出かける、ということにしています。

 

しかしそれでも先日、帰宅した後に食卓をみた私は衝撃を受けました。

 

使ってほしいとお願いしたひき肉は美味しそうなロールキャベツになっていました。それはいい。それはいいんですが、同時に、食卓の中央にはドカンと揚げたての豚カツが並んでいました。なんとロールキャベツは副菜だったのです。

 

「豚カツとロールキャベツ両方作ってくれたんですか?」と引きつった顔で聞いた私に、義母は何かおかしいかしら?と言わんばかりの顔で「だってみんな、トンカツも食べたいかなぁと思って」というのです。

 

私からすれば、ロールキャベツは十分に手のかかるメインメニューです。それを副菜に、さらに面倒な揚げものを、しかもわざわざトンカツ用の豚ロース肉を買いに行ってまで…。

 

義母のなみなみと溢れる愛がいかんなく発揮された献立に、ひたすら圧倒される私でした。

パワー献立、材料中途半端に残りがち

単に献立が豪華というだけならさほど問題はありません(いや、予算的な問題は大いにあるんですが、そこはなんとか目をつぶるとして)。

 

しかしこのパワー献立には、「材料が中途半端に余りがち」という大問題が存在するのです。

 

いくら6人家族とはいえ食べる量は限られているので、品数を多くするほど、1品当たりの量は少なくなります。

 

トンカツとロールキャベツを例にとれば、副菜のロールキャベツは人数分、6個だけ。私が使いきって欲しかったひき肉はパック半分ほど余って冷蔵庫に残されていました。

 

さらに、丸ごと茹でられたキャベツは半玉ほど残っており、トンカツの衣に使ったパン粉もたくさん残っています。これを使って明日の夕飯を…と思っても、メインメニュー用には微妙に肉のボリュームがたりず、だからと言って昨日のようにロールキャベツを作って…と思っても、同じメニューが続くのも嫌よね?(義母談)というプレッシャーがかかったりします。

 

こうして義母によって日々生産される(使い残される)、100gほどの豚こま切れ肉、1/2本のナス、1切れの鮭、3cmのにんじん、2本のちくわ….。

 

それらを前にして、これをどうやって使い切って6人前の食事に…?と頭をひねる同居嫁です。

パワー献立制御に、夫も動く

そんな様子を見かねた夫が、最近は積極的に義母の品数制御に動いてくれるようになりました。

 

先日夫が、仕事終わりの私を車で迎えに来てくれた際、夫は誇らしげに言いました。「今日母親がおでん作ってくれてるんだけど、あともう1品、めかじきのムニエル作ってくれるっていうから、おでんだけでいいです!って言い張って阻止したよ!」と。

 

よくやってくれた、夫。そしてどう考えてもおでんにムニエルは必要ないです、義母。なぜ魚(練り物)に魚(焼き物)を合わせるのか。おでんで物たりない感性は本当に後期高齢者なのか。

 

義母のパワー献立、一体いつまで続くのでしょうか…。

文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ