「ごはんと旅は人をつなぐ。」をテーマに、おいしいごはんや素敵な旅を通じて、人と人を繋ぐ。そんな活動をしている料理家・ダーダこと山田英季さんによる、連載エッセイ。
山田さんが「とにかく、今これが食べたい気分」な美味しいレシピを、作っているときの熱量も一緒にお届けします。
#07「甘いご褒美、いちごミルクフレンチトースト」
先月は、スープを飲んだり、炭水化物を控えたりと、正月太りをなかったことにするために、紛争しました。
その甲斐もあってか、少しだけ体重は減少傾向にある今日このごろです。ここで気を抜いては、いけませんが、たまにはご褒美もないとやっていられないので、ここらで甘いご褒美をあげたいと思います(自分に甘い人間)。
さて、なにを食べようか?
せっかくだから、思いついてからまだ作ったことがなかったいちごミルクで作るフレンチトーストを作りたいと思います。
いちごミルクは、市販のものを使ってもいいかもしれないですが、せっかくのご褒美ですから、フレッシュないちごを使いたいと思います。
いちごをボウルにいれて、フォークでつぶします。
「いちごの甘酸っぱい香りに思わず、初恋を思い出します」と言いたいところですが、残念ながら、遠い昔の記憶は蘇ることはありませんでした。
気をとりなおして、きび砂糖、卵、牛乳を加えてよく混ぜます。砂糖は、白いお砂糖でもいいですが、きび砂糖の方がコクがあって好き。
ここに、食パンを漬け、上下を返し、押さえつけたりせずにじっと染み込むのを待ちます。
欲を言えば、このまま冷蔵庫で一晩おきたい。パンの隅々まで、卵液の染み込んだフレンチトーストは、ふわふわ、プルプルで口の中でとろけるおいしさなのです。
おいしい妄想をしている間に、洗い物などをすませ、フライパンでバターを温めます。バターはケチるべからず。たっぷりと使います。
そこへ、そっと食パンを加えて、焼いていきます。
片面が焼けたら、丁寧かつ、大胆にひっくり返します。「エイッ」
成功。
器に盛り付けて、粉糖、フレッシュのいちご、ミントを飾って、お好みでメープルシロップをかければできあがり。
ナイフなどいらないほど、ふわふわでやわらか、ごめんねと言いたくなるほど、無抵抗ないちごミルクフレンチトーストを頬張ります。
もう、なにも言わない…
この続きは、みなさんの口の中にとっておきましょう。
2月の台所三箇条
- 甘いおやつで、たまにはご褒美
- フレンチトーストのバターは、ケチケチしない
- ご褒美を食べたら、「私、がんばれるかも!」と言ってみる
このご褒美で、明日からまた頑張れそうです。
「甘いご褒美、いちごミルクフレンチトースト」レシピ
本日の材料 ふたり分 (調理時間:50分)
・食パン………………2枚(5枚切り)
・いちご………………8個
・卵………………1個
・きび砂糖……………大さじ2
・牛乳…………………200㎖
・バター………………15g
・粉糖…………………適量
・ミント………………適量
・メープルシロップ…お好み
作り方
①ボウルにいちごを5個入れて、フォークで潰す。
②①に卵、きび砂糖、牛乳を入れて、よく混ぜる。
③バットに②を流し、食パンを入れて、両面に卵液を染み込ませ、冷蔵室で30分寝かせる。
④フライパンでバターを温め、③を入れて、両面に焼き色がつくように焼く。
⑤器に盛り付けて、粉糖とミントをのせ、お好みでメープルシロップをかける。