子供に勧める前に親が体験してみました!


親というものは勝手なもので、子供時代に自分が実現出来なかった事を、“自分の子供にはさせてみたいな”という考えが頭をよぎることがあります。もちろん自分の体験に基づき「楽しい」と思ったことも勧めますが、昔叶えられなかった憧れも勝手に勧めたくなるという矛盾した気持ちを持つことも結構あります。 私の場合、子供時代に楽器(ピアノやフルート、バイオリン等)を習いたかったのですが、親に許してもらえず、密かに“いつか楽器を演奏したい”という憧れを持ちつつ大人になりました。そして忙しく働いて過ごしているうちに昔の憧れを忘れていました。 (実は実父が尺八の師範でしたが、さすがに小娘が渋い尺八を習いたいとは思いませんでしたね…) しかし、子供を持ってみると、何気に『子供が習いたければ楽器をやらせてもいいかな…』などと考えている自分がいました(笑)。ただ単に親の憧れを押し付けるだけでは、子供には迷惑になるだけなので「いっそ気が済むように、自分自身が楽器にチャレンジしてみればよいのでは?」という考えに至りました。 継続して習うのではなく、ある程度限られた期間の中で楽器を習える機会を伺っていたところ、市の広報紙に3ヶ月間だけ学習できる“篠笛体験講座受講者募集”の記事を発見!毎週金曜日の18:30から2時間の講習時間なら、主人にこの期間中だけ定時退社をお願いすれば息子の学童保育所の迎えに対応してもらえるのと、受講料が笛代含み7,940円という良心的な価格設定、そして何より地元(ゆかり)の邦楽曲を習えるという事で、伝統芸能に興味を持つ自分にとって挑戦しやすい条件が揃っていたので、家族に了承をもらい、篠笛講座受講を決行することにしました。

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意外と面白い?!邦楽演奏


講習日の初日、何気にわくわくしながら指定練習会場に行くと、会場はほぼ満席状態。総数33名の受講者のうち、シルバー世代(60代以上)が大半を占めていた様です。若年層は、見たところ小学生が1人と、40代以下とみられる方が数人いらっしゃった様に思います。男女比は半々といったところでしょうか。 最初はやる気に溢れたシニア&シルバー世代の皆様の熱気に気圧されましたが、じき慣れました(笑)。 こちらの篠笛講座は、平成2912月中旬から平成302月初旬までの計7回(うちリハーサル1回)の講座で、2月の中旬には市内の舞台で演奏を披露するという、なかなかタイトなスケジュールになっていました。

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篠笛講師の原千恵子先生は、粋な着物が似合ういかにも『江戸っ子』風の女性で、気風の良さと明るさで、受講生をてきぱきと指導して下さいました。 さて、肝心の“篠笛”について少しご説明させて頂きます。本来篠笛は竹製の楽器ですが、今回は全くのビギナーでしたのでプラスチック製の「7本調子(7つの孔がある)」というタイプの篠笛を使用しました。 この篠笛の難しいところが、吹き口に対する唇の角度と息の出し方が悪いとなかなか高音が出ないのと、きちんと孔を指の腹で塞いでいないとすぐ音程が狂うところでしょうか…。この辺りが結構苦労しましたね。 それから楽譜ですが、邦楽は音符の代わりに数で曲を書くのですね。これは正直驚きました!音楽の授業だと「ドレミファソラシド」というのが「0、一、二、三、四…」になるわけですからね。そして音階も「ゼロから七(この講座ではこの音階のみ使用)」とシンプル。この7つの数を表記した楽譜を譜面台に置いて目で追いつつ、必死で指を動かして練習しました。 しかしさすがに「僅か7回の練習では舞台で演奏するレベルに達しない」と思い、私は講座の練習以外に自宅で運指(指使い)の練習を週末行いました。拙宅は集合住宅の為篠笛を吹くのも憚られ、苦肉の策でした。 それでも、憧れの楽器を習えて嬉しかったので、密かに喜んでいましたが(笑)。