つらい時間に気付き減らしてみる
末木さん:
家事が楽しい、やっていることが息抜きになるというのなら、別にそれを減らす必要はありません。でも、負担になっているのであれば、別に家事などはどうしても女性の手でやらなくてはいけないというものではありませんから、あの手この手でつらい時間を減らして、幸福だと感じられる時間を増やしたほうがいいと思います。
こと家事については、現代はいろいろなやり方があるわけで、食洗機やお掃除ロボットなどテクノロジーの力を借りたり、家事を外注したりすることを考えてみたらいいと思います。
そういうものを使っていくことは、幸福な時間を増やすという意味でも推奨されるべきです。
—— 増やすべき“幸福な時間”とは、具体的にどんな時間を指しますか。
末木さん:
個人差もありますが、各種調査によると、一般的には社会的交流、休息、セックスなどで幸福度が上がるようです。とくに自殺予防という意味では社会的交流(他者との対話)を重視するとよいでしょう。
例えば、高額な買い物をしたときに得られる満足は一時的なものである場合があります。それよりも、家族や親しい人と一緒に旅行するなど、後々まで語り合えるような経験にお金を使うといいかもしれません。