共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。
「たのしいさわぎをおこしたい」を企業のスローガンとして掲げ、国内有名企業のPRやプロモーション、スポーツマーケティング支援等を行う株式会社サニーサイドアップ。その原動力ともいえる革新的な制度がここにあります。
それは福利厚生に関する32もの制度。制度の内容を世の中の動きや社会の潮流に合わせて適宜アップデートし、その時々に合ったメンバーの働き方や生き方をサポートしているのです。社長室長として自社の企業広報・ブランディングに携わる谷村さんに話を伺いました。
メンバーのプライベートを応援する「プライベートしっかり休暇」制度で、勝負デートもフォロー
制度名称: 32の制度 導入開始日: 2011年から実施中 対象者: 社員メンバー 今までに利用した人数: メンバーの3人に1人が取得
株式会社サニーサイドアップグループ 社長室 室長 谷村江美さん
2009年に株式会社サニーサイドアップ入社(現在は株式会社サニーサイドアップグループに在籍)。同社のスペシャリストマネジメントや新規事業開発部署にて新規ブランド推進事業立ち上げなどに携わった後、2016年から社長室に。社長室では、社長室長という管理職の立場から、主に新規ビジネスの開拓や自社の企業広報・ブランディングを担当。プライベートでは、9歳と5歳になる娘たちの育児に奮闘中。
——多彩なアイデアでPR事業などを推進しているサニーサイドアップには、メンバーのための制度が32もあると伺いました。これは類を見ない数ですね。
谷村さん(サニーサイドアップグループ):
たくさんありますよね。当社の社名の一部である“サニー”の語呂にあわせて、「32の制度」と名付けました。スキルアップ支援からプライベート支援まで、カテゴリだけでも6つあります。
——なかでも、休暇制度がとてもユニークですね。意外なものもたくさん見つけました。
谷村さん(サニーサイドアップグループ):
家族旅行やイベント時、結婚記念日など、休暇制度は全部で6つあります。変わったところでは、「失恋休暇」があるんですよ。文字通り、失恋したら会社を休んでも許される制度なのですが、「会社に出られなくなるほどの失恋は人生の中で大切な経験」という考えから生まれた制度です。
——ということは、もしかして両思い休暇もあるとか…?
谷村さん(サニーサイドアップグループ):
「恋愛勝負休暇」があります。大好きな人に告白したい、勝負デートの準備をしたい、などの「勝負日」に休暇取得が可能になっています。
——そんな時に休暇を取れるとは!実際のところ、どんなふうに使われているのですか?
谷村さん(サニーサイドアップグループ):
ある男性メンバーが、お付き合いをしていた彼女の誕生日にプロポーズするために取得しました。結果は見事大成功!上司の許可を得て休暇を取れたことで、「会社からもサポートしてもらえた」と感じたそうです。どんなに忙しい毎日を送っていても、人生の大切な日は誰にでもあるものです。そんなメンバーのプライベートを応援する制度です。
いずれも「自分らしく、一生懸命楽しく働くため」の制度です。なかにはメンバー自らが考案したものもあるんですよ。
これだけ多岐にわたる制度を設定しているのは、“制度の内容をひとつに絞らないこと”自体が、多様化する時代には必要だという思いからです。メンバーの仕事もプライベートもサポートできれば、暮らしが豊かになり、働きやすさにもつながると考えています。
“ずっと働きたい会社”の秘密は、「しっかり休む」と「コミュニケーション」
谷村さん(サニーサイドアップグループ):
「32の制度」を導入してから、より休暇を取得しやすい雰囲気が生まれたと感じています。自分のプライベートも充実させるために、若手もベテランも気兼ねなく「休む」ということを宣言することができ、それによって、お互いの仕事をサポートするような体制ができてきたことを感じています。
——社内のコミュニケーションがスムーズになっているんですね。それは嬉しい効果ですね。
谷村さん(サニーサイドアップグループ):
メンバー同士の日頃からの交流も大切にしています。たとえば「クラブ活動支援制度」では、スポーツをメインとする5つのクラブ活動が活動中です。年齢や部署の違ういろいろなメンバーが部員として所属していて、仕事後や週末に集まって一緒にスポーツをすることで、社内コミュニケーションの活性化につながっています。メンバーの家族が参加することもあるんですよ。「#clubsunny」という共通のハッシュタグを用いて、部員自身のSNSでも自発的に情報を発信する仕組みを作っています。
——楽しい制度が充実しているサニーサイドアップですが、今後も何か新しい施策などは考えていますか?
谷村さん(サニーサイドアップグループ):
新型コロナウイルス感染拡大の影響も受け、リモートワークの推進などの新しい働き方が求められています。それに合わせて、今までと違った制度にアップデートさせていかなければならないことが現在の課題です。
——なるほど。社会の変化に合わせて制度も変化していくんですね。
谷村さん(サニーサイドアップグループ):
たとえば、毎月抽選で1名のメンバーだけが受けられる制度があります。社長にランチをリクエストできる「オトコドアップ制度」と、美容サロンを無料で体験できる「オンナドアップ制度」です。これらの名前や内容を、より社会の流れに合ったものに変更したほうがいいのではないかという声が社内からも挙がってきています。これは、SDGsの目標の一つ「ジェンダー平等を実現しよう」に貢献したいという社会の動きからくるものです。
こんなふうに、実際に制度を利用するメンバーの声も取り入れながら、世の中の様々な動きに合わせて一つひとつの制度をアップデートし、いろいろなメンバーに合った理想的な制度を作っていきたいと考えています。
…
「プライベートで何があっても仕事は仕事」と、つい頑張りすぎてしまう。そんなことはありませんか?それは、サニーサイドアップのメンバーも例外ではないはずです。「32の制度」からは、ともに働く仲間の「頑張り」に注がれる温かいまなざしが見えてきます。
【会社概要】
社名:株式会社サニーサイドアップ
従業員数:187人
業種:PR、広報代理業など
事業内容:PRを軸としたマーケティング・コミュニケーション事業など
取材・文/八田吏(mugichocolate株式会社)