圧倒的な演技力で魅せる草彅剛

©2020 Midnight Swan Film Partners

これまでもさまざまな作品で個性を発揮し、「憑依型」とも評される役者・草彅剛。前作『台風家族』で、草彅史上一番のクズでダメな男を魅力たっぷりに演じ上げたのも記憶に新しいところ。本作では、男性の体に生まれたことに苦しみながらも、いつかは「体も女性になりたい」と願い、生き抜いていくトランスジェンダーを圧倒的な演技力で繊細そしてしなやかに演じています。

 

©2020 Midnight Swan Film Partners

決して多くは語らない、セリフは少なめでありながらも、切ない心情は手に取るように伝わってきます。一果を優しく見つめる眼差し、繊細な表情や仕草、どれをとっても本当に素晴らしい! 登場シーンから、生きづらさを感じながらも、女性として生きたいという凪沙の姿に引き込まれます。

 

©2020 Midnight Swan Film Partners

 

個人的におすすめなのは、凪沙と一果が一緒にゴハンを食べるシーン。前半と後半に登場する同じメニューを食べる場面も見どころのひとつです。