母親になりきれない母親と、母親になっていく凪沙

©2020 Midnight Swan Film Partners

本作にはタイプの違う母親の姿が描かれています。一果の母親は、母親になりきれない女性。凪沙は女性になりたいという気持ちを抱えたトランスジェンダーでありながら、一果と出会うことで母性に目覚め、母親になっていきます。

 

©2020 Midnight Swan Film Partners

凪沙のように体ごと母親になれない女性もいれば、子どもを産んだからといって母親になりきれない早織のような女性もいます。世間体を気にする母親や、母親のような目線で一果を見守るバレエ教師など、さまざまな母の姿が描かれる本作。母親とは、そして、子どもにとって本当に必要なことは何かということを改めて考えさせられます。

 

©2020 Midnight Swan Film Partners

 

胸が締め付けられるシーンもたくさんあり、母性に目覚めた凪沙の選択、待ち受ける現実はハッピーとは言い難いものですが、凪沙という人物の人生を、ぜひスクリーンで見届けてほしい!

 

文/タナカシノブ