共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

コンテンツマーケティングを軸に企業のビジネスやマーケティングを⽀援し、良質なコンテンツを通して“⼈を彩る”ことをビジョンのひとつに掲げるサムライト。社内にも、一人ひとりに柔軟に対応する制度があります。

 

それは、従業員が自分の思いやライススタイルに合わせて働き方を選択できる「選択式人事制度」。一般的なフルタイム勤務のほか、「週4以下正社員」や「時短正社員」など8つの働き方を導入しているのです。

  

「新しい働き方を育む」文化から生まれた「週4以下正社員」と「時短正社員」

制度名称:  「週4以下正社員」「時短正社員」 導入開始日: 「週4以下正社員」は2018年より、「時短正社員」は2016年より 対象者:全社員 今までに利用した人数: 「週4以下正社員」は1名、「時短正社員」は8

  

教えてくれたのは…

サムライト株式会社 

経営管理部アシスタントマネージャー 根本恵弥(えみ)さん
2017年にサムライト株式会社入社。ソリューション本部を経て、経営管理部へ。現在は主に人事・採用を担当。新卒・中途採用全般をはじめ、オンボーディング・研修・人材開発・制度設計などHR領域の開発推進に取り組んでいる。

 

  

——常に新しいデジタルコンテンツの創造にチャレンジしているサムライトでは、従業員が働きやすい環境づくりにもこだわっているそうですね。

 

根本さん(サムライト):

はい。サムライトは創業以来、「新しい働き方を育む」を経営理念の一つとして掲げています。それを体現するものとして、従業員が自分の働き方を選択できる「選択式人事制度」を実施しています。

 

入社後はまず一般的なフルタイム社員としてスタートし、勤続年数が1年を超えると(中途キャリアは6か月~)、子育てや介護などによって、また自分の理想の働き方を体現するために働き方を変えられるようになっています。時短正社員は⼊社時から選択できます。

 

——従業員の声や思いに応える制度なのですね。例えばどんな理由でどんな働き方が導入されたのでしょうか。

 

根本さん(サムライト):

「時短正社員」(勤務時間を6時間~7.5時間の4種類より選択可)は2016年より運用していますが、小さなお子さんを育てるママ社員が希望されたことで取り入れられました。

 

「時短」とはいえ、任せられる業務や責任はフルタイム社員と変わりません。子育て中だからといって、思い描くキャリアを諦める必要もありません。実際にリーダー職で子どもを育てながら頑張っている女性社員もいます。

 

第一子を出産後、「時短正社員」として入社した安川さん。1日6時間勤務でリモートワークを活用しながら、リーダー職の業務を遂行しているという。※現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため全社員が原則として在宅勤務中。

 

根本さん(サムライト):

育児や介護だけではなく、自分のやりたいことを実現するために「時短正社員」を選んだ社員もいます。彼女は大学時代にクラシック音楽を学び、社会人になってからは仕事と音楽活動を両立させたいという思いを叶えるために、入社数年後にフルタイム勤務から6時間勤務に変更しました。

 

サムライトでの仕事と音楽活動と、二足のわらじで活躍する西谷さん。※現在は新型コロナウイルスの影響でフルタイム勤務に戻っている。

 

——自分の理想や夢を支えてくれる環境があると社員も心強いですね。「週4以下正社員」も同じように社員の声から生まれたと聞きました。

 

根本さん(サムライト):

そうなんです。20185月、社員から「奄美大島に移住したい」という申し出があり、週4以下正社員という勤務スタイルを導入しました。

 

これをきっかけに、多様な働き方を実現できるようにしようと、「選択式人事制度」という正式な社内制度として確立しました。働き⽅はフルタイムの⼀般社員のほか、リゾートワーカー、パラレルワーカーなど8タイプから選択できます。

 

もともとバリバリ働いていたという加藤さん。「南の島で人生を見つめ直したい」「家族との時間をもっと持ちたい」と退職を代表に相談したところ、フルリモート・週4以下正社員の働き方を提案されたそう。その後、奄美大島に移住。

  

——働き方を多様化することで、社内に何か影響はありますか?

 

根本さん(サムライト):

社員の働き方に対する満足度は上がっていると感じています。サムライトは、“個人のwill(やりたいこと)を応援する”ことを大切にしているのですが、働く時間や場所に捉われず、willを叶えるための制度があることで社員のモチベーションアップにつながっているようです。ライフステージが変化する社員にも柔軟に対応できるようになりました。

 

また、「時短正社員」や「週4以下正社員」を利用している社員が、短い勤務時間でもきちんと成果を出すことで、周囲の社員の働き方に対する認識も変わってきたように感じます。特に社内の各部署にはママ社員が配属されているのですが、時短でも肩身の狭い思いをすることなく、多様な働き方への理解が深まっていると感じます。

 

——社員にとっての理想を叶えるためには、会社はその基盤づくりが必要となりそうですが、何か課題に感じていることはありますか?

 

根本さん(サムライト):

ありますね。まず、フレックスを導入していることもあり、時短勤務社員と一般社員では働いている時間帯が大きく違う場合があるので、会議の時間などのバランスをどう取るか検討中です。

 

また、このコロナ禍での働き方も再考しています。現在は原則フルリモート勤務という方針をとっているため、それぞれの働き方をいかに差別化するかを考えているところです。フルリモートだと勤怠管理や人事評価が難しくなるというデメリットも解決していかなければいけない課題です。

 

社員の働きやすさを実現するにはこうした課題に取り組む必要はありますが、選択式人事制度は随時アップデートしていますし、社会の状況や社員の要望に合わせて対応していきたいです。

 

 

育児や介護、また自分のやりたいことを叶えるために働き方を変えられる。会社がそういった環境をつくってくれているという安心感は、何よりも会社と社員との大きな信頼関係を育てるきっかけになるのではないでしょうか。課題もともに考えながら、一つひとつ解決へと導き、また会社と社員の理想を実現する新たな施策へとつなげていくのでしょう。

 

【会社概要】

社名:サムライト株式会社

従業員数:社員65名

設立年月日: 2013年9月2日

業種:情報通信業

事業内容:コンテンツマーケティング事業、コンサルティング事業、自社メディア事業

 

取材・文/高梨真紀