永作さんが子育てをするうえで譲れないことは…?
——永作さん自身が、子育てで大切にしていることって何でしょう?
永作さん:
表だってしていることがあるかなぁ…。まぁ、どうしてもやってあげたくなっちゃうんですけど。子どもたちの自立を目指すためにも、なるべく手を出さないようにしようって日々思ってますね。このごろはずいぶんできることも増えてきたし、もう少しいろいろ自分で考えられる人になってもらおうかな…って。
——親が我慢して見守っていれば子どもは自分でできるようになるんでしょうか?
永作さん:
きっとなると思います。手を一瞬で引っ込めるようにすれば。それでも、“早く早く”と思うと、ついついやっちゃうんですけどね(笑)。私は普段から“早く大きくなれ”って伝えてるし、“そのうちご飯の作り方も教えるから、自分で作ってね”って言ってるんです。
——たとえばどういう時、手を出したくなるところを引っ込めますか?
永作さん:
たとえば、ある程度の時間を守って、計画を立てて宿題を終わらせるなり、風呂に入るなり、片づけるなり、“自分時間”で少し進められるといいなと思いますね。あとは、“今日はちょっと涼しいから、きっとこれぐらいの服を着るといいだろう”とか。日常のなかでの選択を少しずつ自分でさせたいなって思ってます。
——それで失敗してしまうときがあってもいい?
永作さん:
それはぜんぜん、何とも思いません。“いいよ、いいよ。それは一生懸命やったんだから”って。でも、そこで言い訳とかされると、私はすごく怒ります。本当に言い訳がイヤなので。素直にやったならやった、やってないならやってないとハッキリ伝えてねって。わが家はお互い、かなりストレートなやりとりをしてると思います。
——この作品を終えてから、お子さんとの関わり方で変化はありましたか?
永作さん:
うーん、特に変わっていませんね。どの作品も、自分の生活とは異色のものではあるので。帰ってくればやっぱり自宅だし、いつも見ているみんなだなっていう感覚なんです。
——この作品は「役を積んでいく」というお話がありましたが、撮影を終えれば家庭のママに戻るという切り替えができるのですね。
永作さん:
この作品は特に、すごく近くで見ていたものからどんどん離れて、遠くが見られるようになっていく…みたいなイメージがあって。ちゃんと少し離れたところから感じとれて、最後には落ち着いた立ち位置で終われたと思うんです。ワサワサした感じで興奮したまま終わるとか、何かを抱えたまま終わるのではなく、ごく落ち着いた目線で。
だから、わりと普通に現実に戻れた感があります。きっと観てくださる方も、絶対的に観終わった後は気持ちいいと思います。途中ドキドキするところはいっぱいありますが、イヤな気持ちはなく、間違いなくポジティブな終わり方だなと。
——お子さんたちは、女優さんとして働くママのことをどう思っているのでしょう?
永作さん:
ちょっと前に、私の仕事についてしっかり伝えたんですけど、“へぇ。そうだと思ったよ”ぐらいな感じで。別に何ともないみたいです…うん(笑)。何も変わらないですね(笑)。