おうちで過ごす時間が増え、片づけに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

改善しようとSNSや雑誌を見てみると、すっきりしているけれど、きちんとしすぎていてハードルが高い収納術が多く、マネするのは難しい…という方が多いのではないでしょうか。

 

ママだけでなく、家族みんなが自分で出し入れできれば、暮らしがラクに回るはず!そんな収納の考えを初の著書『水谷妙子の片づく家  余計なことは何ひとつしていません。』も話題の水谷さんに教えてもらいました。

 

収納を自分だけで決めない

「収納を決めるとき、大事にしていることがあります。それは『自分だけで決めない』ということ。以前、誰にも相談せずに子どものおもちゃを細かく分類して収納する仕組みを作りました。私としては『これでいいかんじ!』と思ったのですが、分類が細かすぎたようで子供が戻せませんでした。それからは、夫や子どもと相談して決めるようにしています。子どもも、自分で決めた収納場所にはきちんとしまえるようになりました。きっと、責任感が生まれたんだと思います」

 

ママが収納についてあれこれ奮闘しても、必ずしも家族がその通りにできるわけではない。身に覚えがあります。がんばっても家族が笑顔にならないなら、時間と労力のコスパが悪いので、自己満足にならずに、みんなが暮らしやすくなる収納を作りたいですね!

 

隠さない

「ボックスやケースは、色の選び方がポイントです。白や紙製など、中身が見えないとパッと見たときに何が入っているか分かりません。半透明や透明なら、中身が透けて見えてものの位置がすぐわかり、ワンアクションで取り出せます。ちなみに、扉の中で使うなら、高さが高いボックスよりも低いものがおすすめです。中身が隠れてしまうと、情報が減って探しにくくなってしまいます」

 

なるほど!これなら一目で何がどこにあるかわかるのでいいですね。ボックスにラベルを貼っていますが、ラベルを読まなくてもわかりそうです。

 

\食品在庫で実践!/

実際に隠さない収納をやってみました。今まで食材を入れていたのは茶色くて高さのある紙製ボックス。一応種類別にしてラベルも貼っていましたが、パッと見てわからなかったので、夫も自分もガサゴソ探すことが多々ありました。

 

今回、半透明で高さの低いボックスに変えたところ、見つけやすく、手を入れて引き出せてとっても便利!夫からも好評で、夫婦喧嘩が減りました。

 

埋めない

「上の写真2枚を見比べてください。中身がわかりやすいのはどちらでしょう?もちろん答えは左です。右のように6段すべてにケースが収まっていると、中身が分かりにくく、開けたり閉めたり探すのに手間がかかります。左は一段飛ばしに引き出しと棚板を抜いて、各引き出しの上にすき間を確保。するとパッと見て何がどこにあるかわかります。すき間があることで手が入るので、引き出さなくても出し入れできます」

 

どうしても、スペースがあると、そこを埋めようとしてしまいますが、『すき間』があることで見やすく取り出しやすくなるというのは目から鱗です!

 

\文房具の引き出しで実践!/

文具類の小引き出しを見直してみました。入れたいものがいろいろあり、水谷さんのように引き出しを半分にすることはできませんでしたが、5段ある引き出しのうち、1段だけ抜いてみることに。一番よく使う文房具の上をすき間にしたところ、格段に使いやすくなりました!ものが見え、手が入れられるので、ノーストレスです!味わいのあるスチールの引き出しで、引き出すのがそれなりに大変なのですが、毎日のように使う段を引き出さなくてよくなったことが、こんなにラクだとは。もし、抜いてもいい引き出しがあったら、抜くことを強くおすすめします!

 

ラベルは手書きで 

収納ワザといえばパッと思いつくのが『ラベル』。SNSを見ると、ラベルライターを使った素敵なラベル使いの方が多く、憧れます。

 

「ラベルライターを使っていた時期がありました。子どもの成長と共に、収納を見直す機会ってよくありますよね。でも、私はラベルを作り替えることができず、ラベルと中身が違うストレスのある状態で暮らすことが多くなって、ラベルライターから手書きのラベルに変えました」

 

手書きだと、テープとペンがあればすぐに書き換えられて、収納の変化に柔軟に対応できます。また、水谷さんだけでなく家族も作れるのでラベル作りの負担が減ったそう。手書き文字の方が親しみやすいという利点もあります。ラベルについては、替えやすいことが重要ですね。

 

手書きラベル作りに役立つおすすめグッズ

マスキングテープでラベルを作るとき、水谷さんがいつも使っているのがコクヨのクリップ式カッター。マネして購入してみましたら、軽い切れ味&切り口がきれいで驚きました! 

 

\おもちゃ収納にラベルを実践!/

5歳の息子と2歳の娘のおもちゃが増え、しまい方に困っていました。そこで白いガムテープでラベリングすることに。イラストが上手な夫に描いてもらうと、子供たちも「これはライダーグッズ入れるかごね、これはおままごとね」と喜んでくれました。そしてお片付けに前より意欲的に取り組むように! 水谷さんのアドバイスで、おもちゃの分類は細かくなりすぎないようにしてみました。

 

 

今回水谷さんにうかがったいくつかの考え方を取り入れてみて、家族みんなが確実にラクに暮らせるようになりました。子どもから「ママ、●●どこ~?」と聞かれる回数や、夫からものの場所が分かりにくいと言われることが格段に減りました。ストレスや違和感がないことで、暮らしが変わったことを感じ、これからもどんどん我が家仕様にしていきたいと思います。そんなに大掛かりなことではないので、気になった方は取り入れてみてください。

 

PROFILE 水谷妙子さん

整理収納アドバイザー1級。夫と7歳の娘、5歳の息子、3歳の息子の5人暮らし。東京都在住。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業後、無印良品で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超、調べた他社商品は5000点超。2018年「家が整うと、家族も整う」というコンセプトのもと「ものとかぞく」を起業し、個人宅の整理収納サービスやお片づけ講座を行う。雑誌やWeb、テレビでも活躍中。ものについての幅広い知識や、独自の着眼点での使い方を紹介するインスタグラムが人気。オンライン講座も頻繁に開催していて、わかりやすいトークも魅力。『水谷妙子の片づく家 余計なことは何ひとつしていません。』(主婦と生活社刊)が好評発売中。

 

撮影(実践写真以外)/林 ひろし