かわいいものを探すのが大好きな文筆家の甲斐みのりさんに手渡したら確実に喜んでもらえるご当地のおみやげを「3つだけ」厳選してもらう連載。今回は日本三大菓子処の一つ【島根県】のおみやげ3選です。
甲斐みのりさんが選ぶ「島根」のお土産
島根県の県庁所在地・松江市は、京都・金沢と並んで、日本三大菓子処のひとつ。出雲国松江藩7代藩主・松平治郷は、松平不昧として茶人としても知られる存在です。そのため茶道が盛んで、今も数多くの和菓子の名店が存在しています。それから、旧暦の10月に全国から八百万の神が集まるとされる出雲大社は「ぜんざい」発祥の地と言われています。
そんな島根ではやっぱり、お菓子をおみやげに選びたくなります。
出西窯や湯町窯をはじめ、素朴で美しい器も作られているので、現地ではお菓子とお皿をセットで選ぶ楽しみもあります。
１：【取り寄せ可】ひとくち糖／來間屋生姜糖本舗 1,253円（税込）
創業以来300年、変わらない製法で生姜糖を作りつづけている來間屋生姜糖本舗。島根県出雲市斐川町出西地区でしか採れない「出西生姜」のなかでも、秋に採れる「古根」と呼ばれる生姜のみを使用した砂糖菓子で、少し辛みのある生姜の風味をしっかりと感じられます。
「ひとくち糖」は、板状の生姜糖をひとくちサイズにカットし、飴包みにしたもの。1個ずつ持ち歩くことができるので、気軽に楽しめます。入っているのは3種類。白とピンクは、伝統の生姜糖。緑は、抹茶糖。ほのかに感じる味の違いを楽しむことができます。
「シンプルな材料で作られている素朴なお菓子。疲れたなと思ったときに1つ食べると、元気が取り戻せるような気がします。生姜のお菓子なので、健康に気遣うかたでも安心して食べられます。以前にナチュラル志向の友人にあげたらとても喜ばれて、リピートしているそうです。昔から変わらない、伝統的なパッケージもすてき」
ひとくち糖
- 販売店：來間屋生姜糖本舗
島根県出雲市平田町774 - 通販：可。公式サイトにて
- 問い合わせ先：0853-62-2115
２：【取り寄せ可】出雲ぜんざい／坂根屋 480円
ぜんざい発祥の地ともいわれている出雲市。「宿禰餅本舗 坂根屋（すくねもちほんぽ さかねや）」は、出雲大社のふもとにある明治5年創業の菓子処です。
中には縁起の良い紅白の丸餅と、出雲産大納言小豆を丁寧に炊き上げた甘さ控えめの小豆汁がレトルトパウチで入っています。紅白のお餅に使用しているのは、寒暖の差が大きい奥出雲町産糯米で作る餅粉。白玉粉に比べ粒子が大きいため餅本来の風味が活き、強い弾力が出ることが特徴です。食べるときは電子レンジで加熱していただきます。
「出雲大社で神様へお供えしたのがぜんざいであった、といういわれがあります。紅白のおもちは、出雲大社が縁結びの神様であることに由来しているそう。とてもおめでたいお菓子なので、お土産にはもちろん、お祝いなどにも最適です。厳かで洗練されたデザインもいいですね。サイズ的にも気軽に渡すことができます」
出雲ぜんざい
- 取扱店：坂根屋
島根県出雲市大社町入南622-2 - 通販：可。公式サイトにて
- 問い合わせ先：sakaneya1@gmail.com
３：【取り寄せ可】 氷室／三英堂 648円（税込）
茶人として有名な七代目藩主松平不昧公の活躍もあり、茶の湯とともに和菓子文化が育まれた土地・松江の老舗菓子店である三英堂。 こちらの「氷室」は、その名の通り、氷をくだいて作ったような涼やかな見た目。まるで宝石のような美しさです。中身は琥珀菓子。表面はシャリシャリ、なかはプルプルといった、楽しい食感もやみつきになります。
「松江は日本三大菓子処の一つですが、歴史ある菓子処がたくさんあります。以前お菓子屋めぐりで訪れた際に、こちらの三英堂も訪れました。その際に、とてもキレイなお菓子があるなあと、一目惚れ。冷蔵庫がない時代に貴重だった氷に見立てたお菓子だそう。その美しさに、差し出した人から歓声が上がります。炭酸水などに入れていただくアレンジもオススメです」
氷室
- 販売店：三英堂 寺町本店
島根県松江市寺町47 - 通販：可。公式サイトにて
- 問い合わせ先：0852-21-3403（営業センター）
PROFILE 甲斐みのりさん
文筆家。旅、散歩、お菓子、パン、手みやげ、クラシックホテルや建築、雑貨や暮らしなどを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。和歌山県田辺市、宮崎県川南町など、地方自治体の観光案内パンフレットも手がける。著書は『全国かわいいおみやげ』『気持ちが伝わるおいしい贈りもの』『アイスの旅』など40冊以上。
取材・文／松崎愛香 撮影／田尻陽子 イラスト／網中いづる
※掲載情報は取材時のものです。紹介している商品の取り扱い、在庫の有無についてはお近くの店舗に直接お問い合わせください。
