甘木さん取材風景自宅1
コロナ自粛解除後のとある一日。久しぶりの対面取材は和気あいあいと。

朝早く起きることができないし、洗濯や掃除が大の苦手。家事や育児の才能が微塵もないと自負する、生活力欠如系主婦甘木サカヱさん。

 

そんな彼女がツイッターの中でつぶやく、子育ての悩みや同居している義父母とのやりとりに関するツイートに共感する人が続出しています。一般の主婦にも関わらず、ツイッターのフォロワー数は既に9万3千人を超える人気ぶり(2020年6月24日現在)。

 

注目を集める理由に迫るべく、実際に甘木さんご本人にお話を伺いました。

 

PROFILE:甘木サカヱ(あまき・さかえ)
義両親と三世代同居中の二児の母。日々の暮らしの中での子育ての悩みや、義父母への不満やグチを笑いに変えるツイートが話題となり、ツイッターのフォロワー数は9万3千人越え(2020年6月24日現在)。猫と絵本をこよなく愛し、主婦ライターとして活動中。著書に「アラフォーになってようやく気づいたんだけど、私、たぶん向いてない。生きることに……メンタル編」(KADOKAWA)などがある。Twitter:よく眠りたまに色々考える主婦@toppinpararin

よく眠りたまにいろいろ考える主婦・甘木サカヱさんってどんな人?

同居始めたばかりの頃 義父母「チャーハンの人参硬いよ」 私「すみません〜チンして柔らかくしますね」 現在 私「あっチャーハンの人参硬かったですね! でもスティック野菜だと思って食べてください!」 家族「あっはい」ボリボリ
自室を手に入れた息子が友達を呼んでいいかと聞くので、 条件として、親に見せられないようなことはするな いや思春期だし見せたくない事あるよな 法に触れるようなことはするな いや合法なら良いって訳でもと悩んだ結果、 「日本国憲法精神に反するようなことはするな」とフワッとした指示をした

──こうしたツイートに、わかるわかるわかる!と思わず笑ってしまった人も多いのではないでしょうか。ともするとただの愚痴になってしまいそうなツイートを、独特の表現でユーモアたっぷりにつぶやくのが甘木流。今でこそ悩みや苦労を笑いに変えてしまうパワーの持ち主である彼女ですが、実は長い間うつに苦しんだ経験がありました。

 

甘木さん:

北海道の片田舎で生まれ育って大学進学を機に上京したのですが、地元の人はみんな知り合いというような狭い場所で育ったので、東京で新しい人間関係をうまく築くことができなかったんです。

 

それまではしっかりもので通っていたし、自分でも何でもそつなくこなせるタイプだと自負していたので、「自分ってこんなにコミュ障だったんだ…」と思ってショックでしたね。はじめての一人暮らしで家事など身の回りのことも全然上手にこなせないし、何もかもがうまくいかなくてどんどん自己嫌悪に陥っていきました。

 

──人間関係につまづいた結果、うつ病になってしまい大学も中退。その後も体調がよくなったり悪くなったりを繰り返しながら、長い間心の病に苦しむ日々を送ります。しばらくして今のご主人と出会って子宝にも恵まれ、ようやく人生が順調に進むかと思った矢先、今度は産後うつを発症。これがきっかけで義父母と同居をすることになり、しばらく経った後ツイッターと運命の出会いを果たします。

 

甘木さん:

ツイッターは、近所のママ友に誘われて、なんとなくはじめたのがきっかけです。誘ってくれたママ友はすぐに飽きてやめてしまったんですけど(笑)。

 

私はツイッターのゆるいつながりが、思いの外心地よくて、そのまま続けてきた感じですね。当時は子育て情報を得るツールとして使ったり、私の趣味である絵本好きの人と交流をしたりして楽しんでいました。

 

──当時フォロワー数を増やすことは意識されていましたか。

 

甘木さん:

もう全然!ツイッターをはじめた当初から今に至るまで、実はツイート内容はあまり変わっていないんですよ。昔も今も、子育てや義父母の話が多いですね。本当にくだらない日常の些細なできごとをつぶやいてきただけなのに、いつの間にかじわじわとフォロワー数が増えていった感じで…。

 

こんなに多くの方に見てもらえるようになるなんて、ただただビックリしています。