義父母ネタはあえて笑いに変えてツイート
──甘木さんのツイートで、特に人気なのが、義父母と暮らす三世代同居ネタ。いつも独特のユーモアで笑いに昇華されていますが、実際関係性はどうなんでしょうか。まずは同居のきっかけを教えてください。
甘木さん:
産後うつになったときに、義父母にはずいぶんと子どもの面倒をみてもらいました。
当時はまだ同居していなかったのですが、そのうち週に2〜3度ほど主人の実家に通うようになり、これならいっそのこと一緒に暮らしてしまおうか、という話になりました。
──義理の両親と同居なんて、聞いただけでぞっとする人も多いと思いますが、抵抗はなかったのでしょうか。
甘木さん:
意外と思われるかもしれませんが、抵抗はまったくなかったですね。
義理の両親はカラッとした性格で一緒に暮らしやすそうだったし、念願の初孫ということもあってすごく子ども達のことを可愛がってくれていたので、逆に助かるなと思っていたほど。それに、私は人の目がないとどんどん堕落していくタイプの人間なので、監視の目が欲しいな〜というのもあってちょうどよかったんです(笑)
──実際に一緒に暮らしはじめてからはどうでしたか。
甘木さん:
嫁いびりをされるわけでもなく、逆に義両親の方が気をつかってくれるくらいなのですが、生活リズムが真逆だったのはきつかったですね。
私は午前中使い物にならないような完全夜型人間なのですが、義母は健康的な早寝早起きタイプ。朝の6時頃から窓が開いて掃除機の音が聞こえてくるので、「あーこのまま寝ていてはいけない気がする…」と思ってモヤモヤした気分になったりしていました。
──甘木さんにとって、そんな日々のモヤモヤした感情のはけ口になってくれたのがツイッターだったのでしょうか。
甘木さん:
義父母のことに限らず、日々のできごとをツイートすることは、私にとって精神的な老廃物を流す作業という感覚ですね。
ただ、皆様にお見せするので汚いまま流すのはよくないなと。少しおもしろおかしくすることで、私もすっきりするし、フォロワーさんにも笑ってもらえたら嬉しいなと思っています。
──ネガティブな感情をストレートにツイートすることは、よけいなヘイトしか生まないとお考えですね。
甘木さん:
少しとんがった言い方をするとリツイートも伸びるんですけど、その分フォロワーさんからの反応も、不思議と同じ種類のものが返ってくるんです。
私はそこまで思っていたわけではないのに、「私も同居の義母早く死なないかなと思ってます!」とか。いやいやいやいや!私はそこまで全然思ってないから!!!と思うんですけどね(笑)
──ネガティブな感情を笑いに変えることは難しくないですか?
甘木さん:
いったん文章に落とし込むことで冷静になれるというか、切り離してネタとして捉えられるようになるんです。
他の人から笑ってもらえる内容にしようとすることで、自分自身のことを客観的に捉えることができます。ツイートを続けてきたことで、感情のコントロールが上手になったように思います。
──気持ちが揺らぎやすい人は、そういった「客観的に考える時間」が必要なのかもしれませんね。他にツイッターによる変化はありましたか?
甘木さん:
ツイッターをしていなければ出会うことがなかった方々と、交流が持てるようになりました。
先日、ツイッターをやっていなければまったく接点のない職業(弁護士、編集者etc.)の人気ツイッタラーの方々に、TRPG(※1)をやる会にお誘い頂きました。日ごろなかなか聞けない業界の裏話なども聞かせて頂き、とても楽しい時間を過ごしました。
著書を発売することもでき、現在ライターとして活動できているのもツイッターがあったからこそ。ツイッターのおかげで世界が大きく広がりました。