「子どもが遊べて、ママがホッとできる場所を作りたい」そんな熱意が人を動かす

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西室さんが運営している「おもちゃカフェ『ダットッチ』」は、広くて可愛いプレイスペースのある、親子で遊んでくつろげるキッズカフェです。今でこそ、キッズスペース付きのカフェは増えてきましたが、開店当時は、この地元にはそういった場所がわずかしかありませんでした。 私が今でもよく覚えているのは、数年前、自宅でママ友たちととお茶会をしたとき、小さい子どもをを抱っこしながら西室さんが「市内には子供を連れてママがゆっくり食事を出来る場所が少なすぎる!あっても子供がのびのび遊べるほどの広さが無い。そういう場所を私が作ってみたい」と真剣な表情で話している姿。「確かにそういう場所が欲しいね、ぜひ実現して欲しい!」とみんなで大賛成したのですが、その後の西室さんの行動の速さは、もうレジェンドに近い程(笑)素晴らしいものでした。 西室さんは、さっそく地元八王子市にある「東京造形大学」でキッズデザインを研究している春日教授に相談しに行ったのだそう。春日教授と春日ゼミの学生たちが、西室さんの熱意と真摯な思いに共感して、店舗の内装デザインおよび遊具等、デザイン全般の制作を協力してくれることになったのです。さらに、西室さんは、「木のぬくもりを活かした空間にしたい」と、高尾のヒノキの木材を調達。「メニューも手軽に必要な栄養素が摂れ、体に優しい献立を提供したい」と信頼できる栄養士さんにメニュー作成を依頼。日中は、嫁ぎ先の呉服店で働きながら、休みの日や閉店後に協力してくれるみなさんと準備を進め、ついに2014年9月29日に「おもちゃカフェ『ダットッチ』」を開店させました。 驚くのが、協力者の方達のほとんどが「西室さんの熱意に動かされた」とおっしゃっていたこと。同時に「西室さんがそこまで頑張るなら私も手伝いたい…」と、一生懸命な姿に賛同して協力を申し出る人がどんどん増えていったそうです。それは、呉服店の常連のお客様達までもが「子どものめんどうはみてあげるから、少し休んできたら」と、優しく気遣ってくれるほど。肩書や権力などではなく、最後に決め手となるのは「その人個人の熱意と真摯な姿勢」という事に、改めて気づかされます。