「セルフメディケーション税制」で節税しよう!

 

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国民が市販薬を購入してセルフメディケーションを行うと、国の医療費が抑えられます。その代わりとして1年間に一定額以上市販薬を購入した場合には、所得控除が受けられます。 これまでは、「年間10万円以上」医療費がかかった人しか医療費控除を受けられなかったのですが、セルフメディケーション税制では、基準は「年間1万2000円」。税的優遇を受けやすくなりました。

 

たとえば、年収400万円の人が年間3万円の市販薬を購入した場合、3万円-1万2000円の「1万8000円」が控除対象額となります。 所得税の控除額が1万8000円×20%(所得税率)で3600円、住民税の控除額が1万8000円×10%

(個人税率)で1800円となり、このケースでは合わせて5400円が節税できます。

 

セルフメディケーション税制で減税を受けるためには、毎年2月中旬から3月中旬に「確定申告」をする必要があります。確定申告は、家族の中で一番年収が高い人で申告すると節税効果が高くなります。 確定申告と聞くと難しそうと感じる方も多いと思いますが、手続きは年々簡略化して、2019年からはスマホからでもできるようになりました。初めてでもそう難しくありませんので、ぜひやってみてください。

 

 

レシート類は「家族全員分」申告できます


 

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減税を受けるためには、市販の医薬品を購入した証拠として、レシート類が必要です。家族の誰が使用・購入した分でも申告できますので、全員分を捨てずに取っておいてください。 特に旦那さんや子どもが購入した場合には捨ててしまいがちなので、「お得になるから、必ず持って帰ってきてね」と声をかけておくと安心です。


セルフメディケーション税制は、日頃から健康管理を行っている人を対象とした税制ですので、申告には健康診断・がん検診・予防接種などを受けた証拠が必要となります。 また、医療費控除とは併用ができないので、どちらの控除額が大きくなるか、シミュレーションサイトなどを使って確認してから申告するといいですよ。

 

 

病院の受診ももちろん必要ですが、自分自身で対処可能な不調もたくさんあります。 セルフメディケーションを行えば、節税だけではなく自分や家族の健康のためにも良いことがたくさんあります。 まずは薬剤師のいるドラッグストアに行って、相談してみてはいかがでしょう?

 

文:中本みなこ