溶連菌はどうやって広まる?
溶連菌感染症の原因となる「溶連菌(A群溶血性レンサ球菌)」は、主に「飛沫感染」と「接触感染」の二つの感染経路を経て拡がっていきます。それぞれどのようなものか詳しく見てみましょう。
感染経路1「飛沫感染」
溶連菌は体内に入り込むと鼻やのどの粘膜に付着して、発熱やのどの痛みなどの症状を引き起こします。このため発症者の唾液や鼻水、痰などの中には多くの溶連菌が含まれます。 そして、くしゃみや咳をしたり話をしたりするとき周囲に飛んだ「しぶき(飛沫)」の中に含まれた溶連菌を、近くにいる人が吸い込んでしまうことで感染するのが「飛沫感染」です。 しぶきは最大半径2mの範囲に飛び散るとされており、思いのほか遠くにいても感染する危険があるので注意しましょう。
感染経路2「接触感染」
発症者の唾液や鼻水、痰などに含まれて体外に排出された溶連菌は、ドアノブや電気スイッチ、手すり、おもちゃ、食器などありとあらゆるところに付着します。 溶連菌は生命力が強いため、物に付着した状態で24時間ほど生き続けます。そして、それを知らずに触ってしまった人が、その手が口や鼻を触ってしまうと溶連菌が体内に入り込み「接触感染」します。 溶連菌が流行っている時期、近くに発症者がいないと思っても、電車やお店などで知らない間に感染することも少なくないのです。