育休退園制度のあるエリアでも、退園しなくてよいケースとは
育休退園によってある日、突然、保育園に通えなくなった上の子が、先生や友達に会いたがって毎日泣いたり情緒不安定になったり…という体験談も数多く寄せられています。
自分の住むエリアや上の子の年齢などが育休退園制度に該当する場合は、絶対に退園しなければならないのでしょうか?
ここで保育園に子どもを預けるための要件を確認してみましょう。
過去の「保育に欠ける事由」はおもに次の5つです。
①昼間労働することを常態としていること(就労) ②妊娠中であるか又は出産後間がないこと(妊娠、出産) ③疾病にかかり、若しくは負傷し、又は精神若しくは身体 に障害を有していること(保護者の疾病、障害) ④同居の親族を常時介護していること。(同居親族の介 護) ⑤震災、風水害、火災その他の災害の復旧に当たつてい ること(災害復旧)
なお、過去には保育園に子どもを預けるための要件として「保育に欠ける」とされていましたが、2015年「保育が必要」へと表現が変わりました。
新制度では、子どもの「保育の必要性」について、次の4点を追加しています。
⑥求職活動・起業準備を含む ⑦就学・職業訓練校等における職業訓練を含む ⑧虐待やDVのおそれがあること ⑨育児休業取得時に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること
「保育園に通っている上の子の継続利用が必要であること」とはっきり書かれていますね。
そして、「その子どもの発達上環境の変化が好ましくないと考えられる場合」には在園を認めるとしています。
つまり、現状子どもが楽しく園に通っており、育休中のママが祖父母や夫の協力を得られず、赤ちゃんを育てながら上の子に充実した毎日を送らせてあげられない…という場合には、無理に退園しなくてもよいということになります。
ただ、国の基本的な方針は上記の通りですが、実際に園に残れるかどうかを決めるのは、
市町村が児童福祉の観点から必要と認めるとき
となっていて、事実上、各自治体の判断に任されている状態です。
所沢市でも、当時市長などから「小さいうちはお母さんと一緒にいた方がいいんだから退園すべき」といった発言があり、それぞれの子どもや親の気持ちを無視しているとして反発が起こりました。