■年金と老後資金を取り崩す「高齢期」

会社を定年退職して、いざ年金と貯蓄した財産で暮らす「老後」の時期です。 健康なうちはそれほどの不自由は感じないかもしれません。いわゆる「悠々自適」な老後を送れるのならさぞかし幸せなことでしょう。 しかし、多くの人にとってみればどうしても加齢により、以前よりも頻繁に病気にかかる可能性は高くなるはずです。 さらに体が不自由になったり認知症になったりと、老人に多く見られる疾病が出始めるのも、この時期には多くなることでしょう。 一般的にはある程度年齢がかさんだ場合、老人ホームへの入居を考えることが多いかもしれません。もっともそれは費用が掛かることでもありますので、以前の想定よりも医療費や介護費がさらに高くなる可能性があります。 そのような事態に陥った場合は一度マネープランを見直してみて、その後の費用をねん出できるかどうかをあらためて確認しておく必要があるでしょう。 また、認知能力や判断能力も若い頃よりは格段に落ちているはずです。それに付け込んだ悪徳な業者もいますし、あの手この手で詐欺師が手を伸ばしてくるかもしれません。 ご自身で管理ができなくなった場合、あるいは今後管理が難しいと思われる場合は、これまで積み上げてきた資産管理の方針を事前に決定しておいたり、いざというときに備えて通帳の保管場所などを配偶者や子供といった信頼関係を築いている人と共有しておくことが必要となるでしょう。


■まとめ

これからの人生をフェーズに分けて老後を考える、そうした必要から便宜的に設けられたのが「現役期」「退職前後期」「高齢期」という3つの期間です。 老後資金が不足しないように金融庁がまとめた提言には賛否両論があることでしょうが、この際もっと具体的に老後の試算について考える機会にはなるかもしれません。 まだ先のことだからと油断することなく、少しでもいいので考えていくことが肝要です。