ホルモン剤の影響で「6キロ増」衣装変更し

── 働きながら不妊治療をする負担も大きいと思いますが、新山さんは具体的にどのようなことが大変だと感じていますか。

 

新山さん:不妊治療のホルモン剤の影響で6キロ太りました。お腹が膨れてきてウエストが入らない服も出てきて、急きょ、衣装をワンピースに変えてもらったこともありますし、今もボトムスはワイドパンツ一択です。

 

カードの明細を見るのが怖いくらい金銭面での負担も大きいです。病院も混んでいるので1度の通院に3時間ほどかかることが多いです。病院の待ち時間に仕事をしている方も見かけますし、自分で実際に経験してみないとわからないことがたくさんあるんだなと感じます。

 

── 不妊治療は、女性側の負担が大きいと言われていて、夫婦で衝突してしまう家庭も少なくありません。旦那さんはどのように寄り添ってくれていますか。

 

新山さん:夫は、一緒に取り組んでいく姿勢を大事にしてくれていて、排卵を誘発する自己注射を打つ時間に、ドラマ撮影中の外の現場まで注射を持ってきてくれました。協力してくれて助かりますね。

 

シールタイプのホルモン剤がかぶれてかゆくなってしまうこともあるのですが、夫が私の好きなブランドのデザインを描いてくれて。それを貼ることで気持ちを上げています。妊活中は何より気持ちの面でのコントロールが大変だと感じますね。

妊活のゴールを2軸で考える現在

── いつも笑顔で明るいイメージがある新山さんも、妊活で気持ちが落ち込むこともあるのですか。

 

新山さん:ありますよ。完全に思い込みなんですけど、「あれ?お腹がいつもより張っている気がする。つわりがある気がする」と。きっとそう願いたいからでしょうね。でも、いざ病院で検査の結果を聞くと「今回は難しかったですね」と…。

 

期待したぶん落胆は大きいですし、街で妊婦さんを見かけると「いいなぁ。私にもまたこんな日が来るのかな」と思うこともありました。私が通っている産婦人科は、「マタニティマークは隠してください」と書かれていて配慮が徹底されているのですが、ホルモンの影響もあり、感情の浮き沈みが大きくなっていると感じます。

 

これまで「ゴールは妊娠1本」だと考えていたのですが、45歳を過ぎてなかなか結果に結び付かなくなっていった時期に、旦那さんと不妊治療の卒業の時期について考え始めました。

 

── 不妊治療を「やめる」ではなく「卒業」という表現なんですね。

 

新山さん:「やめる」というと、まるで諦めたような後ろ向きな感じがしていて。こんなに頑張っていたのだから、未来を見据えた「卒業」という表現にしたいなと思っています。

 

妊娠できる方もたくさんいますけど、私の場合は「もうそろそろ卒業の時期なのかも」と考え始めつつ、まだ卒業するとも言えない自分がいて。目標は新たに家族を持つことですが、叶わなかったとしても今後の人生を大事にしていくという、もうひとつの軸についても考えていきたいと思っています。ここまで来るのに時間がかかりました。今は奇跡を信じて不妊治療に向き合いつつ、ゴールを2本据えていきたいと思っています。

 

先日も車でキャンプに行き、心身ともにリフレッシュをしてきました。大自然のおいしい空気を吸って、綺麗な景色を見て、美味しいものを食べて。ときには自分を甘やかして、頑張った自分にご褒美をあげながら、奇跡を信じて不妊治療に向き合っていきたいと思っています。

 

取材・文:内橋明日香 写真:新山千春