親には最期まで乳がんの事実を伝えず
── 独身、ひとり暮らし、会社経営者という立場でのがん宣告だったそうですが、実家のご両親のサポートなどはありましたか。
板橋さん:いえ。両親には心配をかけたくなかったので、自分ががんになったことはひと言も伝えないまま、両親とも他界しました。私が元がん患者だと知っているのは、何人かの友達と会社の部下だけです。
手術の同意書も、うちの会社の管理部長に「ここ、ちょっと書いて」とお願いしてサインしてもらいました。手術当日の付き添いもなし。諸々の検査や医師からの説明を聞くのも、全部ひとりで問題なく済ませました。お医者さんから「説明を聞くのはおひとりで大丈夫ですか?」と聞かれて、「あれ、みんな誰かと来るんですか?」と聞き返したくらいです。
── 強いですね。入院中、家族連れがお見舞いに来る姿を見て、寂しさを感じる場面はなかったですか?
板橋さん:手術も入院も、ひとりでもまったく寂しくなかったです。入院中の着替えや備品は病院のレンタル品を使えましたし、病室は個室だったので他の入院患者が気になることもない。ただ、大部屋だったらまた違っていたかもしれません。
手術翌日からリハビリのためにせっせと歩き、1週間後には結構元気になっていました。退院のときだけ、友達に頼んで荷物を持つのを手伝ってもらいました。
── 乳がんを経験して、心境の変化などはありましたか。
板橋さん:入院が短かったとはいえ、がんになったことはショックですし、それまでの自分の生き方を反省しました。健康管理を大事にしていこうと使命を掲げてサプリ通販の会社を経営していた自分が、健康を過信してセルフケアをおろそかにしていたわけですし。
退院後は食生活に気を遣うようになって、お酒も控えめにしています。ジムに通って、定期的に運動をしています。