幼少期から「自分は男性が好き」悩み続け、うつ状態に
── たっちゃんは、ニコぷさんと出会う前、アメリカなど海外で生活されていたそうですね。渡米のきっかけは、日本での生活に息苦しさを感じていたからだったとか。
たっちゃん:そうですね。自分が男性が好きだということは幼少期から気づいていましたが、当時はまだゲイという言葉も一般的ではなくて、「オカマ」「おとこおんな」「ホモ」と呼ばれたりしました。子ども心に傷ついて、同性が好きな当時の自分にはネガティブなイメージしかなかったし、自分の感覚に名前をつけることすらできず、孤独を感じていました。
ネットもSNSもない時代を育ってきたので、自分と同じような人の存在を知る機会もほとんどなかったんです。この先、生きていけるのかなと悩み続けて、うつ状態にもなりました。
── つらい時期でしたね…。いつごろのことですか?
たっちゃん:19歳ごろです。当時は、自分が周りと違うことへの違和感や、自分の感覚や価値観をうまく言語化できないもどかしさ、社会で居場所の見つけにくさが積み重なっていって…。同性のパートナーとどう生きていけばいいのか、家族や友人にどう伝えればいいのかという不安や葛藤もありました。
特に苦しかったのは「自分として生きている実感が持てないこと」でした。制度や環境というよりも、自分の内側と外側のズレのようなものが大きかった。それで、環境を変えるために一度海外に出よう、と20歳で渡米しました。それ以来、すべてが変わりましたね。
── それほどアメリカの光景が衝撃的だったんですね。
たっちゃん:はい。もう20年以上前のことですが、当時からアメリカはLGBTQに寛容でした。街中で男性同士が普通に手を繋いでいたり、スーパーで男性同士がベビーカーを引いていたり。それに対して、誰かが指をさしたり悪口を言ったりもしない。みんなが当たり前に生活しているのを見て、カルチャーショックを受けました。「こんな生活ができるんだ」と。
別の価値観や生き方があると知ったことで、今まで不安だったものが一気に解放され、自分自身を少しずつ肯定できるようにもなりました。帰国してからは「オープンマインドで生きよう」と友達にカミングアウトしました。