「高い高いできない」やるせない気持ち抱えて

伊藤真波さん
現在は3児の母として育児に奮闘中

── 結婚の翌年に第1子を出産されました。育児中の大変さや、周囲からの反応について、印象に残っていることはありますか?

 

伊藤さん:家の中では、年じゅう裸足で過ごし、左腕と足を使ってオムツ交換や着替えをしています。たまに足がつりそうになりますが、慣れてくればだいたいの作業はできるようになってきました。

 

ただ、外出先では、ほかの人もいる前で足を使うことにためらってしまいます。子どものお菓子の袋を開けるときも、口を使わなければいけないのですが、「周囲の人はどう思うか」を考えてしまうと、つい人目のない場所を探してしまいます。

 

── お子さんには、障がいのことをどのように伝えているのでしょうか。

 

伊藤さん:包み隠さずに「事故で腕がなくなったんだよ」と伝えています。それでも、たまに「ほかの子みたいに、自転車の後ろに乗りたい」と言ってくることがあって…。片腕では自転車を運転することが難しいので、「それはできないよ」と伝えると、「しょうがないか」という表情で、納得してくれています。

 

どんなに頑張ってもできないことがあるということを、子どもたちにわかってほしい反面、「自転車の後ろに乗せてあげたかった」「両手で高い高いをしてあげたかった」というやるせない気持ちは、ずっと抱え続けたまま…。そのたびに、「母親として、たりていないのではないか」と感じてしまうことはあります。