学費300万円、両親のダブル介護「逃げられない」が力になった
── その誓いどおり、起業から4年後には目標年収を大きく超えて法人化。見事に命題を「証明」されました。とはいえ、当時はふたりのお子さんの学費の工面も必要で、まさに自転車操業だったとか。
西崎さん:それはもう、大変でしたね。離婚後、長女を海外留学に行かせたのですが、1年間で300万円必要でした。よく調べなかった私も悪いのですが、「起業直後のお金がないときに恐ろしいことになった」と呆然としました。決まった日にとんでもない額の請求書がやってくるのですが、「もし私が逃げたら、子どもの生活が止まる」。その使命感が、凄まじいパワーになりました。
私、途中で思考を切り替えたんですよ。「この金額を全部自分で支払えたら、毎年同じ金額を貯金できるようになる。すごい!」って。このスキルは誰にも奪われない。「毎年、数百万円を貯金できるなんて人生最高じゃない!」って思ったんです。まあ、現実はそんなにうまくはいっていませんけど(笑)。少なくとも経営者としての経験とスキルは身についたと思います。
── このタイミングで、ご両親の介護も重なったそうですね。
西崎さん:起業直後、岡山に住む父が倒れ、付き添っていた母の認知症も発覚しました。どうやら父は母の認知症を隠していたようなんです。2018年からなし崩し的に父と母の介護が始まりました。生活拠点の福岡から父母が別々に暮らす岡山の施設に通って。事業の拡大するにあたり東京と大阪にも拠点を設けたので、岡山、東京、大阪、福岡をぐるぐる回る日々。施設の方々には本当に助けられましたね。
結局、法人化した2019年に父が他界し、母は2025年に亡くなりました。起業との両立はたしかに大変でしたが、経営者として働く私の姿に、父が「やっぱり蛙の子は蛙や」と喜んでくれたのが救いでした。岡山の実家とお墓も無事に仕舞うことができ、親孝行できたかなと感じています。