「安全」にライバルはいない。勘違いが産んだ企業の垣根を越えるタッグ

スキマモリ
ポスターも子どもに見てもらえる形式に

── もともと近畿エリアを中心に展開していた「スキマモリ」の活動ですが、今では東急電鉄や京王電鉄など、関東の鉄道会社へも広がっています。

 

平山さん:現在は、関東の私鉄や交通局を含めた4社が加わっていますが、そのきっかけはある勘違いでした。2022年に東急電鉄様からプロジェクトの手法について問い合わせをいただいた際、「一緒に活動したいという申し出だ」と誤解をしてしまったんです(笑)。しかし、その勘違いをきっかけに一気に連携の話が具体化していきました。

 

── 関西のJRと関東の私鉄が組むというのは、異例のケースではないでしょうか?

 

山下さん:非常に珍しい取り組みです。従来は同じJRグループや関西エリア内での企業同士での協力が主でした。しかし、子どもの安全を守るという目的において、エリアや企業の線引きは関係ありません。

 

平山さん:隙間の危険を一人でも多くの子どもに知ってもらうためには、スキマモリの「生息地」が広ければ広いほどいいと思っています。みなさまの危険を減らせますし、学生さんたちの作品も世に広まります。今の時代、安全に関する取り組みは競争を越えて、一緒に取り組むべきだと考えています。

 

── 他社との連携によって、どのような変化がありましたか?

 

平山さん:各社が持つ事故防止のノウハウを共有し、情報交換できるようになったことは大きな収穫です。京王電鉄様の取り組みに刺激を受けて、弊社でもスキマモリのヘッドマーク車両を運行するなど、いい影響を与え合っています。

 

平井さん:学生にとっても、複数の企業それぞれのルールや環境の中で、事故防止にどのようなデザインが有効かを考える経験は貴重な学びの場になっています。