妻の手のひらから落ちないよう、必死に踊った
── これまでの夫婦関係を、志茂田さんはどう定義されていますか?
志茂田さん:結局のところ「やりたい放題やらせてもらった」に尽きます。僕が自分のやりたいように生きる中で、妻がどっしりと構えていてくれていた。だから僕は、妻の手のひらの上でいつも踊らされていたのだと思います。でもね、踊りながら僕自身も妻の手のひらから落ちないように必死ですよ。そうやって、振り落とされないようにしながら、ここまで来られたのだと思っています。僕にとって妻の存在は、それだけ大きいんです。
── 奥さんとの思い出で、印象に残っていることはありますか?
志茂田さん:25年以上続けてきたライフワークの「よい子に読み聞かせ隊」ですね。テレビやラジオ、執筆など、これまでいろいろな仕事をしてきましたが、いちばんしっくりきたのが、親子に絵本を読み聞かせるこの活動でした。途中から妻も参加してくれるようになり、夫婦で全国を回りました。あの時間は、本当にかけがえのない思い出です。

── 素敵な思い出ですね。
志茂田さん:子どもたちの反応が楽しくてね。朗読するというよりも、本を読んで僕の頭の中に浮かんだ情景を言葉にのせて、子どもたちに届けたい。そんな思いで、毎回向き合っていました。できるだけ理解しやすい本を選ぶようにはしていましたが、小さな子にとっては難しい本もありますよね。でも、小さい頃に読んだ本は、そのときに理解できなくても、大人になったときにふと思い出して、「ああ、こういう意味だったのか」と気づくこともあると思うんです。そんな記憶を子どもたちに手渡せるのだとしたら、これほど未来につながる素敵な活動はないと思っています。
── 絵本が子どもたちの未来を作っていくんですね。
志茂田さん:僕自身30代、40代の頃は、小さい子どもを見ると「まだまだ小さいなぁ」と思っていました。でも、今は小さい子を見るたびに、その大きさに驚かされるんです。身体としての大きさではなく、可能性の大きさです。大きな未来を背負っている彼らに、僕は大きな期待を感じているんです。