関節リウマチを患い、2024年に要介護5の認定を受けた作家の志茂田景樹さん。1日に椅子に座っていられる時間はわずか6時間。トイレに30分を要し、着替えも入浴も、すべて他人の手を借りる毎日です。それでも志茂田さんは「失望はしていない」と笑い飛ばします。世間で「老害」という言葉が飛び交うなか、若い世代に好かれようとせず、あえてみずからを「なれの果て」と称して這い上がり続ける。どん底を知り尽くした表現者が語る、死ぬまで「自分」を諦めない極意とは。

トイレに30分。「でも、失望はまったくない」

志茂田景樹

── 現在のお体の調子はいかがでしょうか。

 

志茂田さん:2019年に持病の関節リウマチを良くしようと訪れた温泉施設で転倒し、腰椎を圧迫骨折。そこからリウマチが悪化しました。2024年には要介護5の認定を受けています。現在は自力では一歩も動けず、車いす生活です。天気が悪い日は手や腕の痛みが強く、歯磨きするのもひと苦労。トイレもドアを開けたまま車いすで入り、いくつもの動作を重ねる必要があります。

 

以前は終えるまでに30分近くかかることもありました。今はリハビリパンツを着用して、訪問看護の看護師さんが訪れた時だけ、助けを借りてトイレにいっています。最近は、トイレのタイミングも体に覚えさせることができるようになりました。

 

── 不自由さは想像を絶しますが、日々の生活をどう捉えていますか。

 

志茂田さん:たしかに、できることは限られます。何をするにも時間がかかる。でも、不自由なりに食事をし、パソコンで原稿を書き、SNSで発信している時間は、僕にとって幸せなひとときなんです。だから、老いや病に失望はしていません。むしろ新しい人生が始まったと、わくわくしているくらいです。この状況になっても「まだ小説を書きたい」と思っている自分自身を発見できたことも、大きな喜びでした。