5年の専業主婦を経て、プロ野球のキャンプ地へ飛び込む
── 大前さんご自身は、どのような経緯でこの道へ進まれたのでしょうか。
大前さん:じつは、学生時代はそれほど高い志があったわけではなく、「ご飯が作れると将来役に立ちそう」くらいの感覚で資格を取りました。卒業後はモータースポーツのPR会社に就職。その後結婚して、5年間は専業主婦をしていました。
── 5年間の専業主婦期間を経て、再び働くことになったきっかけは何だったのでしょう。
大前さん:夫がオフロードラリーの日本代表に選出されたのですが、国際大会に出場することになり、「体を大きくしたい」と、相談されたことがきっかけでした。あらためて栄養学を勉強し直し、アドバイスをもらおうと親交のあった明治の先輩を訪ねるうちに仕事に魅力を感じて、ちょうど前任の退職時と重なり思いきって復職を決めました。

── そこから、どうやってプロの現場へ食い込んでいったのですか。
大前さん:当初は事務職としてのスタートでしたが、「アスリートを支える栄養士の活動を世の中に発信すべきだ」とみずからPRになるサポートを行いたいと手を挙げました。本格的にアスリート支援に関わり始めたのは、入社して4か月ほど経ったころです。「現場を知らないと何もできない」と思い、代理店の方にお願いをして、プロ野球のキャンプに同行させてもらいました。会社や球団からの依頼があったわけではなく、自分から飛び込んだ形です。当時はキャンプ地に女性がいること自体が珍しく、新聞記者と勘違いされることもありました。