俳優業と社長業を両立し裏方の挨拶回りも。「なんちゃって」は嫌だった
── 社長業は事務作業も多いですよね。ご自身でどこまで把握されているのでしょうか。
瀬戸さん:「なんちゃって社長」には絶対になりたくなかったので、マネジメント業務、営業、経理など、裏方業務全般にひと通りに関わっています。最近は、俳優・りんたのマネジメントも手がけていて、マネージャーとして、テレビ局などに挨拶に回る機会も増えました。
── 支える側に回ったことで、心境の変化はありましたか。
瀬戸さん:ひとつの仕事をとってくるために、どれほど努力をしているのかもわかりましたし、自分がこれまでどれほど支えられてきたかも身に染みて感じました。仕事に向き合う姿勢も前より少し謙虚になった気がします。
伝え方ひとつで誤解は生まれますし、人との関係はていねいに積み重ねないと続かない。環境が変わった今だからこそ、人とのつながりの大切さがよくわかるようになりました。
50歳を前に、こういう経験ができているのは、自分にとってすごく大きなこと。勇気を出して新しい場所に踏み出したからこそ、増えた引き出しが今の私の力になっています。
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30年という長い時間を過ごした場所を離れ、40代でみずから会社を立ち上げた瀬戸さん。マネージャーを兼務し、時にはみずから税務署へ問い合わせるなど、かつての「守られていた立場」から一歩踏み出し、自分の足で現場に立つことを、彼女は「今が一番、引き出しが増えている」と心から楽しんでいるようでした。
キャリアや環境が安定しているからこそ、そこを飛び出すのは勇気がいるもの。もし今、あなたが「看板」を脱ぎ捨てて、素の自分で勝負してみたい場所があるとしたら、それはどこですか?
取材・文:西尾英子 写真:瀬戸朝香