「腫れ物」にするのをやめよう。専門家の視点で向き合う福島の未来
大学院を卒業後、シンクタンク戦略国際問題研究所に勤務。専門家を招いて、福島第一原発の視察をコーディネートすることもあったそうです。現在はオルブライト元国務長官が設立したASG(オルブライト・ストーンブリッジ・グループ)で、日米関係のコンサルタントとして経済安全保障やエネルギー政策を担当している関口さん。

「今も、『原発に入ったときはどうだった』とか『震災後は何を食べていたの』と、純粋な疑問から踏み込んだ話題まで、よく聞かれます。未来を考えるには、まずみんなが関心を持って話をすることから。そんな対話の文化が不可欠だと感じています」
震災から15年目。避難指示の解除や住民の帰還など、課題は山積していますが、関口さんはあの日から続く「問い」を持ち続けています。
「時間が経つほど、震災を『忘れない』という思いを一歩進めて、『もっと話そうよ』と伝えたい。福島の未来を形づくるのは、一人ひとりの『知りたい』という気持ちです。『情報とは何か』『伝えるってどういうこと』『本当の安全とはなんだろう』。あの日から続く私の人生、今もその問いを投げかけ続けています」
…
震災から15年。私たちはいつの間にか、被災地を「悲劇」という言葉で閉じ込め、腫れ物に触るように接してはいないでしょうか。
「忘れない」という共感の先に、私たちが一歩踏み込んで「知ろう」とすべき事実は、まだたくさんあるのかもしれません。「忘れない」のその先にある、あなたなりの向き合い方を、今一度考えてみませんか。
取材・文:内橋明日香 写真:関口由香里