今の自分が好きなのは、当時があったから

── 子役の経験は、ご自身の人生にどんな影響がありましたか?

 

細山さん:ひと言で表すのは難しいですが…やっぱり小さいときから大人と一緒に仕事をした経験は貴重なものでした。仕事を通して、相手の人が自分に何を求めているのか敏感に察知するスキルが身についたと思います。現在の僕は動物医療に特化したビジネスで起業していますが、仕事場でも、自分が求められていることを察知するスキルは非常に役に立っています。

 

とはいえ、ちょっと困った一面も。空気を読みすぎてしまうせいで、自分の気持ちを後回しにしている部分もあります。相手の思いを優先しすぎて「そういえば、僕自身が本当にやりたいことはなんだっけ?」と、思うことも少なくありません。今後は、もう少し自分の本心に耳を傾けてあげたいなと思っています。

 

── 子役として芸能界で活動したのはよかったことだと思いますか?

 

細山さん:はい。子役として活動した経験は、とても貴重なものです。やっぱり、僕の人生のなかで芸能活動をしたことは、とても大きな出来事でした。僕は、今の僕自身が好きです。もし芸能活動をしないでいたら、別の存在になっていたかもしれません。そう考えると、やっぱり自分にとってあのころの経験は、欠かせないものだと思っています。

 

 

周囲の期待に応えるために、「自分ではない誰か」を必死に演じた経験はありますか? 幼い頃の記憶や、今の仕事・人間関係の中で感じている葛藤、そしてそれをみなさんはどう乗り越えてきましたか。

 

取材・文:齋田多恵 写真:細山貴嶺