工事の音がうるさいのも納得できるようになる
── ただ、大変なイメージが強いせいか、多くの人は理事をやりたがりません。しかたなく引き受け、義務的にこなす人も少なくありません。
板倉さん:たしかに理事は大変な任務だと思います。会社や自分のプライベートで時間はパンパンなのに、そこにもうひとつ仕事が加わるとしたら、「勘弁してくれよ〜」って言いたくなるでしょう。僕も多少なりともそんな気持ちが頭にありました。でも、やってみると得られるものは大きい。絶対ムダにはならないはずです。

── 嫌々ではなく、理事の仕事に少しでも興味を持って臨めば、変わってくるのかもしれませんね。
板倉さん:そう思います。だって、マンション管理のことを知らなかったら、たとえば修繕積立金の金額が上がった場合、「なんでこんなに高いんだ!」「いったい何に使われているんだ!?」と、不満や疑問を抱くでしょう。
また、大規模修繕工事が行われた場合には、建築現場で目にする足場が組まれて部屋が暗くなったり、外壁のタイルを張り替えるための点検作業でカチカチ音がしたりするんですけど、マンション管理に無関心だったときは「暗いなあ」「すごい音だなあ」「何の作業をしているんだろう?」と感じたものでした。しかし、そういったモヤモヤの謎が理事の仕事を務めることで、全部とけたんです。わからないことは管理会社の人に直接聞くこともできますからね。
不満や疑問が解消されると、修繕積立金のお金を納得して支払えるようになりました。修繕工事は、マンションという自分の資産を守るために必要なことなのだとわかったからです。こういったマンション管理に関する知識を得られただけでも、理事になって正解だったと思っています。
取材・文:百瀬康司 写真:板倉俊之