世界では万年3位。「なぜ勝てないんだ」と批判も

垣添栄美
高校3年時には第1回となる相撲の世界大会に出場した

── 名門・日大相撲部初の女子部員だったんですよね。

 

垣添さん:すでに相撲部に在籍していた男子部員も女子が来るとは思っていなかったようで最初は驚いていました。稽古場の横にお風呂があったのですが、私が来るまで男子だけの生活だったのでみんな平気で裸で出てくるので、いつもそれに驚いていました(笑)。私が1年生の頃は主要大会で日大が優勝できなかったので、「女子が来たから(日大は)弱くなった」というようなことを言われたこともあって悔しかったですね。

 

── 男性部員の中にいきなり女性が入ったことでご苦労も多かったのではないでしょうか。

 

垣添さん:私1人では心配だと、私の母が監督に打診して、他にもう1人女性が入部したんですが、1年生のころは本当に大変でした。何もかもが初めてのことばかりで慣れない怒濤の日々。気づいたときには「もう1年経ったの?」という感じでした。

 

それに、高校までは試合で勝っていましたけど、相撲のことをよく知っていたかといえば決してそうではなかったので、大学に入ってからは簡単に勝てないことがありました。2年生になって、本当の意味で相撲をようやく覚え、成績が残せるなと思ったら、今度は階級を上げられてしまって。女子相撲には体重別の階級があるのですが、自分よりも体重が80~100キロ以上ある選手と戦わなければいけなかったんです。

 

── 高校時代まで結果を残していただけに周囲からのプレッシャーも感じていたのではないでしょうか。

 

垣添さん:1年時は優勝して2年時は初戦敗退。3年生になったら負けなくなったんですが、世界では万年3位。「なぜ勝てないんだ」と批判の声がすごかったですね。「(私は)相撲が好きでもないのに、なぜここまで言われないといけないの…」とツラいときもありました。ただ、そんなときふと客席にいる両親に目を向けると、すごく悲しそうな顔をしていたんですよね。だから相撲から逃げることはせず、4年生まではまっとうしてから相撲を卒業しようと、向き合っていました。