2022年、那須川天心戦。敗北と共に武尊選手が明かした「パニック障害」の衝撃から4年。昨年結婚した妻・川口葵さんは、当時の彼を「追い込まれた目をしていた」と振り返ります。引退試合を目前に控えたいま、「家では戦いたくない」と願う夫のために夫婦で作る安らぎの空間で過ごしているそう。極限の闘志を支える、夫婦の絆について伺いました。

夫から病名は告げられていなかったが

── 夫で格闘家の武尊さんは、今から4年前にうつ病とパニック障害を患っていたことを公表されました。試合へのプレッシャーやネットでの誹謗中傷などがあった時期で、不眠や過食などさまざまな症状があったと話されています。当時、おふたりは結婚する前でしたよね。

 

川口さん:おつき合いをしているときだったんですが、夫からはっきりと病名までは言われていませんでした。私自身も発表を見て初めて知った部分もありました。

 

川口葵さん
ハートのニットがお似合いの川口葵さん

── おつき合いしている際に、思い当たる節はありましたか。

 

川口さん:試合の前は大変そうだなと思っていました。表情を見ても「ちょっと今はあまり楽しめていないのかな」と感じることもありましたし、試合へのプレッシャーから、追い込まれているような目をしているなと思うこともありました。

 

── 武尊さんはのちにインタビューで「(川口さんが)普段と変わらない態度で接してくれたのがありがたかった」と話しています。

 

川口さん:つらそうにしているときも私から何があったのか聞くことはなく、夫が話してきたらそれを聞くという感じで過ごしてきました。私自身は、あえて普通にしようと意識していたという感覚はなく、普段通りに一緒に過ごしていました。

 

── 薬やカウンセリングなどで症状は緩和していったそうですが、世間に公表されたときはどう思いましたか。

 

川口さん:病名を公表したときは正直少し安心しました。あまりわかったようなことは言いたくないのですが、夫が公表したことによって、同じ境遇の方が一歩踏み出すきっかけにもなるかもしれないと思いましたし、ひとりで抱え込まずに公表をしたことはよかったのかなって。公表後から症状もだんだん落ち着いてきたように見えました。