今年11月に発売から30周年を迎えるたまごっち。1996年の発売から1年経たずで1000万個を売る大ヒットに見舞われ「社内はパニック状態だった」といいます。ところが数年後に赤字に転落し、新商品の開発を中止していた期間もあったそう。現在4度目のブームが到来しているたまごっちがどのように再起を図ってきたのか、(株)バンダイで企画・開発担当の青柳さんにお話を伺いました。
男の子から女子高生にターゲットをシフト
── 1996年の発売後、デジタルペットとして社会現象になるほど大ヒットしたたまごっちですが、企画段階の案ではボールチェーン型ではなかったそうですね。
青柳さん:弊社はキャラクターのライセンスをお借りして商品を作ることが主流ですが、男の子向けの自社商品を開発していこうというときに、いくつか企画を出し合い、そのなかにたまご型の腕時計で生き物を育てる案がありました。これがたまごっちの原型で、たまごとウォッチを掛け合わせて名づけられました。

── 腕時計の想定だったんですね。
青柳さん:そうなんです。しかし街頭調査を通して女子高生にウケそうということがわかり、商品が生まれた90年代は時代のトレンドを作っていたのが女子高生だったということもあったので、そこから女子高生向けにターゲットを切り替えて商品開発を進めました。その際、女子高生が持っているスクールバッグにつけられるように、ボールチェーンをつけました。デザインの設定も、かわいいだけではなく、ちょっとヘンテコでゆるかわいいというところが、女子高生にウケるのではないかということで、若い女性デザイナーがキャラクターを書き下ろしました。
── 狙い通り、女子高生を中心に爆発的なヒット商品となりました。
青柳さん:発売前の街頭調査は渋谷や原宿で実施しました。女子高生に受け入れられるかを念頭に少しずつ商品を調整していき、発売後は想定通り女子高生から人気に火がついたという形です。おもちゃ業界では100万個売れると大ヒット商品と言われるのですが、たまごっちは1996年11月に発売しその後7か月で1000万個が売れました。「購入できない」という問い合わせが1日に1万件を超える事態で、社内はパニック状態だったそうです。