家がゴミ屋敷化するのは不精すぎる一部の人だけ、と思われがちですが、実は「誰でも陥る可能性がある」そう。ゴミ屋敷を専門に片づけているゴミ屋敷パートナーズ代表の石田毅さんが明かした依頼主の傾向は、一般的なイメージとは異なるものでした。
ゴミ屋敷になりやすい人は世間の印象とは正反対

── ゴミ屋敷を専門に片づける会社「ゴミ屋敷専門パートナー」を運営する石田さん。石田さんは今までさまざまな家を見てきたそうですね。ゴミ屋敷といえばズボラな性格の住人をイメージしがちですが、たとえば几帳面な人でも自宅を「汚部屋」や「ゴミ屋敷」にしてしまうことがあるのでしょうか?
石田さん:あります。どれだけ真面目な方でも、家族を亡くしたり、仕事で疲れ果てたり、病気になったり、介護や子育てが始まったりと、ちょっとした出来事をきっかけに歯車が狂ってしまうんです。
日常があまりに忙しいと片づけの優先順位が落ちていき、それが何か月も積み重なるだけで誰でもゴミ屋敷になってしまう。それが問題の本質だと思います。連絡をくださる方は世間の印象とは正反対で、むしろ人のために頑張ってる方が大半です。
たとえば、休みの日に片づけをしようと思っていても、上司から「休日出勤して手伝ってくれないか」と言われると断れない。1回お願いを受けると、当たり前のようにどんどん頼まれてしまって片づける時間がなくなった、という方もたくさんいます。
高齢の方の場合はものが捨てられず、溢れかえった「物屋敷」タイプが多いです。ゴミが散乱した「ゴミ屋敷」になるのは、むしろ仕事が忙しい30代、40代の働き盛り。20代の場合は、孤独感やSNS疲れ、夜勤が多くて生活環境が荒れている傾向があります。女性はシングルマザーも多いですね。
職種でいうと、責任のある仕事が多い印象です。たとえば、看護師、教職員、公務員、運送業。それから、夜勤などでゴミ出しの時間に捨てられず、どんどん溜まってしまった、という方もいます。