ピンチは最大のチャンスだった

── 壮絶な経験をされたのですね。すべてを失った状況で、どうやって再び前を向いていったのでしょうか。

 

マダム信子さん:焼肉事業に行き詰まり、「何か別の仕事をしなければ」と必死でビジネスのヒントを模索しました。ちょうど飲酒運転に対する罰則が強化され始めていたころでした。これからはお酒を出す商売は厳しくなると判断し、活路を見いだしたのが「喫茶店」だったんです。

 

フランチャイズ契約で200万円から始められる「和風喫茶」を見つけて再起をかけました。すべてを失ったどん底からの挑戦でしたが、これがのちの「マダムシンコ」、そしてあのバウムクーヘンへと繋がっていきました。 まさに、ピンチは最大のチャンスだったんです。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/マダム信子