義手と義足も「ダンスがやりたいんです」と

キャロットyoshie.
筋電義手(筋肉に発生する表面筋電位の出力量によって動作制御される義手)にてリハビリ中のキャロットさん

── 車椅子ダンスは、どんなきっかけで始めたのですか。

 

キャロットさん:入院中に看護助手の方が「車椅子ダンスというものがあるよ」と教えてくれました。退院して1年くらい経って、少し気持ちが落ち着いてきたときに自分でも調べてみて、車椅子ダンスをやっている教室に見学に行ったんです。車椅子ダンスを見るのは初めてでしたが、いろいろな障害のある方が頑張っている姿を見て感動したし、とても楽しそうに見えました。私は高校時代にバトントワリングや器械体操をやっていたことがあって、もともとダンスは好きでしたし、自分も新しいことをやってみようと思ったんです。

 

その後、家から近い場所でダンス教室を探し、近所のジャズスタジオに電話して「義手と義足なんですけど、ダンスをやりたいんですが」と話しました。電話に出た先生はびっくりしていましたが、「障がい者の方は教えたことはないですが、私も勉強させていただきます」と言って受け入れてくれました。

 

車椅子ダンスをするにあたって、新たな自分も出していきたいと思い、芸名を考えました。私が好きなディズニー映画『ズートピア』の主人公のジュディ・ホップスの好物がにんじんであることから、お世話になっている義肢装具士さんがダンス用のにんじんソケットを作成してくれ、「キャロットyoshie.」と名づけてくれたんです。