ご近所さんに会っても下を向いたまま過ごし
── 娘さんがお世話をしてくれるなか、しばらく通院も続いたそうですね。しかし、当時は外に出ること自体、ストレスだったとか。
キャロットさん:自分の姿を見られたくないし、娘以外、人に会うことが嫌でした。タクシーで病院に行っていましたが、いつも決まったドライバーさんで予約するようになりました。
また、娘と一緒に通院していましたが、ある日、娘の用意が遅れて、私が先に道路でタクシーを待っていたときがありました。たまたまご近所の方が通りかかって、以前だったら「こんにちは」と普通に挨拶していたと思うんです。でも、私は入院して2年も家にいなくてどうしていたんだろうと思っただろうし、久々に姿を見たら車椅子に乗っているし、相手もどう声をかけていいか、わからなかったと思うんですよね。私も下を向いたまま目を合わさずに過ごして。
外に出れば人目が気になり、家にいてもフラッシュバックに悩まされ、お金の心配もあって夜も眠れなかったです。とくに退院して1年くらいは精神的にキツかったですね。