過敏体質は「悪いことばかりじゃない」
── 日々のコンディション管理も欠かせませんね。
野田さん:夜ふかしがいちばんダメなので、なるべく規則正しい生活を心がけています。ただ、深夜にラジオ番組のMCをやっているんですけど、翌日はだいたい鼻血が出ます(笑)。体がそうやって、(ラジオ出演で)夜ふかししたから「休め」と、教えてくれているのかもしれません。
でも、体調管理が難しい繊細な体って、弱点に見えてじつは「センサー」みたいなものだと思っていて。やり過ぎてしまうと、体が先に「もう限界だよ」って、教えてくれる。つまり、体が壊れる前にブレーキをかけてくれる「安全装置」のような存在なんです。だから僕にとっては、過敏なこの体質はリミッターであると同時に、体が発するピンチを守ってくれる感覚も持ち合わせている。過敏なことは悪いことばかりじゃないんです。
── 自分の体の声にきちんと耳を傾けながら、バランスをとっているのですね。 野田さんは、ゲーム制作も筋トレも、誰かに習うのではなくすべて「独学」を貫いていると伺いました。そこにもやはり、「自分の感覚でやる」ことへのこだわりがあるのでしょうか?
野田さん:根っこは同じかもしれません。そもそも僕は、人に教わるのがすごく苦手なんです。正解へのルートが最初から決められていると、考える余地がなくなる気がして。教えられた通りに進むと、どうしても正解をなぞるだけになってしまい、失敗する自由もなくなってしまう。
自分のやり方で試して、間違えて、「ああ、こういうことか」と身をもって実感する。そのプロセスがないと、どうも納得できないんです。性格的な部分もあると思いますが、僕にとっては、自分の手でたしかめることが何より大事なんです。