原田眞人監督が「お前、ハゲてるらしいじゃん」と

── 闘病中、役者のお仕事はどうされていたんでしょう?
 

赤間さん:抗がん剤治療中に映画のオファーがいくつかあったのですが、「髪の毛がないので…」ってお断りしていた気がします。「ウィッグでも構わないから」と言っていただいた作品もあったのですが。

 

そんななか、『わが母の記』でお世話になった原田眞人監督から「お前、ハゲてるらしいじゃん。本当のハゲがほしいんだよね。尼さんの役やってくれる?」って連絡がありました。「寝てばかりいないで仕事しなさい」と励ましで声をかけてくださったのです。「はい、喜んで!」ってお受けして、少し生えかけていた髪を剃り、頭ツルツルで映画に出演しました(笑)。

 

といっても治療中なので、撮影中はお医者さんに相談をしながら、体調に合わせて撮影が可能なタイミングを調整していただいたりして。気持ち悪くなると困るのでビニールは常にポケットに入れていましたね。

 

赤間麻里子
映画『駆込み女と駆出し男』では闘病中、坊主姿で撮影に臨み、見事に尼の役を演じきった