「世界一のお嫁さんにする」と決意揺るがず

── ふたりで会うようになって、イサムさんに対してどんなことを思いましたか?
みどりさん:口先だけじゃないんだなって思いました。イサムは、私が話したことを全部覚えていて、たとえば私があの花が好き、あのお菓子が食べてみたい、イルミネーションが好きなんだよねって言うと、次に会ったときに好きな花やお菓子を買っておいてくれるとか、イルミネーションがある場所に連れて行ってくれました。
あるとき、イサムが出張から帰ってきたと思ったら「これから千葉のドイツ村行くよ」と。「え?今日?今から?」と驚きつつも、ワクワクしたこともありました。私は離婚して新しい人生を歩み始めていましたが、同時に不安も抱えていて、イサムが「俺に任せろ、俺に頼れ」ってよく言ってくれましたね。
──「俺についてこい」と引っ張るタイプなんでしょうか?
みどりさん:つき合う前はそんな感じでしたね。結婚した今は、ちょっと甘えん坊の部分が出てきてますけど。イサムは今でもそうなんですけど、とてもピュアで正直な人です。自分が「こう」と思ったことは突き進んでブレない。初めて食事に行った日から「俺は絶対みどりと結婚する。みどりを世界一のお嫁さんにする」って、一貫して言っていました。
ただ、ちょっとナイーブというか繊細な面もあって。私とイサムの家は徒歩圏内でしたが、イサムと会う頻度が多くなってくると、イサムが長期出張に行くときは、朝、私が車を出して送って行くようになったんです。イサムは目的地が近くなると「まだ離れたくないって」と言って泣き出すことがあったし、会社に送って半日仕事をしてから出張に行くときは、出発する時間が近づくと「今から行かなきゃいけない」と泣きながら電話してくることもありましたね。
── だいぶ情熱的な感じですが、出張はどれくらいの期間行かれていたんですか?
みどりさん:長いと2、3週間くらいだったかな。でも、イサムが出張中に、私が体調を崩したことがあって、イサムが心配しすぎて出張先から帰ってきたことがあったんです。果物を買ってきたり、私にドリンクを飲ませたりしてから、そのときはまた出張先に戻って行きました。
── すごいパワフルというか熱烈ですが、交際に向けてみどりさんの気持ちは動いていったのでしょうか。
みどりさん:イサムに会うたびに惹かれていく自分に気づいていましたが、やっぱり娘の同級生というのがどうしても引っかかってしまって…。それに、彼は当時30歳。同世代と結婚すれば、子どもが生まれて、子どもの成長を見守りながら過ごす人生もあると思うんですけど、私と結婚しちゃうとそれが叶わない。イサムから何度プロポーズをされても、断り続けました。